星野源さんのニューアルバム『Gen』で、星野源さんとイ・ヨンジさんのコラボが実現しました!
曲名は『2 (feat. Lee Youngji)』。
この曲のテーマと、イ・ヨンジさんの楽曲との繋がりを、考察してみたいと思います。

ヨンジさんは、以前から、星野源さんの大ファンでもあります!
『2 (feat. Lee Youngji)』は、どんな曲?
星野源さんとイ・ヨンジさんのコラボ曲、タイトルは、『2(feat.Lee Youngji)』。
星野さんいわく、読み方は 日本語の「に」でも英語の「Two」でもいいとのこと。
(参考:TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」 2025.5.15放送回より)
なので、韓国語の「두(2・2つ)」でもいいし、他の言語でもいいですよね。
『2』は、星野源さんとイヨンジさんが、共同で作詞・作曲しています!
ヨンジさんは、韓国語、英語、日本語、3言語でラップをしています。
愛がテーマのこの曲、ヨンジさんのラップ、源さんとのコーラスが最高です!
さらには、イ・ヨンジさんの楽曲のオマージュ、とみられるフレーズもありました。
歌詞に『Small girl』の歌詞を引用
イ・ヨンジさんの楽曲の中に『Small girl feat. 도경수 (D.O.)』があります。
この曲は、イ・ヨンジさんの経験を元に作られた曲です。
ヨンジさんの身長は、その当時付き合っていた彼氏と同じぐらい。平均より身長が高いと明かします。
ある日、ヨンジさんと彼氏が2人で歩いていたら、身長が155cmくらいの女の子が(可愛いしぐさで)歩いてきて、彼氏に「오빠(オッパー)~」と声をかけたのだそうです。
ヨンジさんは、その時、その2人が並んでいるのを見て、どこか居心地が悪く、ほろ苦い気持ちになったことを明かしています。
そしてその日、ヨンジさんが家に帰って書いた曲が『Small girl』でした。
30分もしないうちに完成したこの楽曲は、ヨンジさんの手掛けた曲の中で、最も短時間で完成した曲なのだとか。
(参考:YouTubeチャンネル「チョン・ハンヒョンシン・ドンヨプ」2024.7.18 )
『Small girl』は、世の中の「“チャーミング”で“背の低い”女の子像」に対してコンプレックスを抱く女の子の、ほろ苦く、切ない想いを歌っています。
『2』では、『Small girl』の歌詞をオマージュ
『Small girl』の歌詞の中に、こんなくだりがあります。
こちらは、イ・ヨンジさんパートです。
Though I got a big laugh, big voice
& big personality
Would you guarantee it?
(引用元:UtaTen )(ソングライター:Lee Young Ji/作曲・アレンジャー:PEEJAY)
【和訳】
大きな声で笑ったり、個性があっても、(私を愛すると)誓ってくれる?
「big personality」は、強い存在感、個性的で人々に強い印象を残す、といった意味合いで、とても魅力的なこと。
ですが、この歌の中に登場する女の子は、男の子が好きなのは“可愛いタイプ”なのではないか、と、彼の気持ちに対しても、不安になっています。
これに呼応する歌詞、도경수(ド・キョンス/D.O.)パートです。
Big eyes, big laugh
Big voice or big personality
Girl I don’t got no fantasy(引用元:UtaTen )
(ソングライター:Lee Young Ji/作曲・アレンジャー:PEEJAY)
【和訳】
大きな瞳、大きな笑い声、強い個性
僕は、幻想なんか持っていないよ
男の子は、「僕は“可愛らしい”女の子になんて幻想を抱いていないし、そのままの君が好きだよ」というのです。
続いて『2 (feat. Lee Youngji)』の歌詞を見てみましょう。
BIG LAUGH, BIG EYES, BIG PERSONALITY?
ウルサイがカワイイになる魔法를 봤어!
(引用元:UtaTen )
(作詞作曲:星野源、Lee Youngji)
【和訳】
大きな笑い声、大きな目、大きな性格ですって?
ウルサイがカワイイになる魔法を見たの!
「BIG LAUGH」、「BIG EYES」、「BIG PERSONALITY」部分が、『Small girl』の도경수(ド・キョンス/D.O.)さんパートに出てくる「彼女の特性」がすべて出てきますよね。
イ・ヨンジさんパートでは「big laugh, big voice & big personality」。
「BIG EYES」は入っていませんでしたので、時系列的に『Small girl』の中で 彼が「そのままの君が好きだよ」と言った後ですね。
そのうえで、
「ウルサイ」は、「カワイイ」にリフレーミングされています。
ネガティブにとらえるのではなく、「魅力」とポジティブにとらえることができるようになったんですよね。
『Small girl feat. 도경수 (D.O.)』のMVは、こちらです。
この歌詞に、女の子の想いがぎゅっとつまっていて、切なくなりますね…。
お2人が出演するMVも、とても素敵です!
YouTubeチャンネル「チョン・ハンヒョンシン・ドンヨプ」の中で、ヨンジさんが『Small girl』の元になった経験談を明かしているのがこちら(5:41頃~です)↓
『ADHD』と『2』
『Small girl』が収録されているのは、イ・ヨンジさんのEPアルバム『16 Fantasy』です。
その中に、また別の楽曲『ADHD (feat. Jambino) 』があります。
この歌も、ヨンジさんの体験から、紡がれた歌です。(参考:KBS Kpop [아이엠온더비트] EP.7 )(44:51頃~)
『ADHD』Jambinoさんパート、つまり「彼氏の言葉」の中に、こんな歌詞があります。
외계인들의 멍청한 말들로
널 힘들게 못 두겠어
(引用元:Genius )
作詞:Lee Young Ji (이영지) & Jambino (잠비노)/作曲:PEEJAY, Lee Young Ji (이영지) & Jambino (잠비노)/編曲:PEEJAY
【和訳】
宇宙人たちの愚かな言葉で
君を苦しめたくない
この「宇宙人(외계인들)」は比喩表現で、「“ADHD”に対して偏見を持つ人たち・差別的な人たち」を指していると思われます。
そして、今回の『2』の歌詞には、こんなくだりがあります。
異星から2人舞い降り
踊り交わす 瞳
笑う僕らに
勝てる者などいないのに(引用元:UtaTen )
(作詞作曲:星野源、Lee Youngji)
この歌には、人それぞれの解釈・考察はあると思いますが、
筆者は、源さんとヨンジさんが紡いだ『2』には、ヨンジさんの『Small girl』、『ADHD』との繋がりがあり、リスペクトがあると、すごく感じました。
「宇宙人たち(『ADHD』歌詞)」からの差別・偏見・否定といった愚劣なものなど気にしない、笑い合う僕らの愛は最強なのだから、と歌っているんですよね。
(『2』の歌詞には、「異星から~」と同じメロディーで「否定から 2人は降り」と歌うくだりもあります。)
そして、以下の歌詞の歌詞は、リフレイン(2度歌っています)になっているので、大切なパートだと思うのですが、ここでも、「偏見・差別」といった「壁」は、love(愛)で乗り越えることができる、という祈りが込められています。
いかれた2人舞い降り
詩い紡ぐ 祈り
渡る海路に 壁のないlove(引用元:UtaTen )
(作詞作曲:星野源、Lee Youngji)
「いかれた2人」は、「いかれている」という視線で見てくる「差別・偏見」のことを揶揄しているのだと思います。
(どちらか1人ではなく)「2人」になっていることから、「どの人にも“いかれた”ところは、あるよね」と、言ってくれている気がするんですよね。
日本にも、残念ながら、「ADH“D”」や「AS“D”」とカテゴライズされている人々に対する偏見といったものが、今だにありますが、愛(お互いを尊重すること)は、まさに それを無くしていくことに繋がると、筆者も思います(あと欠かせないのは、知識)!
「渡る海路に~」の歌詞には、ニューロマイノリティへだけではなく、海外=色んなルーツを持つ人への偏見も、すべて含まれることを表していると、考察します。
ヨンジさんが、『ADHD (feat. Jambino) 』や『Unknown guy』など、EPアルバム『16 Fantasy』の楽曲制作秘話を 色々語ってくれているので、KBS Kpop [아이엠온더비트] EP.7 、ぜひ観てみてくださいね。
イ・ヨンジさんと星野源さんの交流
星野源さんの 6thアルバム『Gen』で、源さんは複数のアーティストとコラボしており話題ですが、イ・ヨンジさんとのコラボは、どちらのファンにとっても嬉しいニュースだったことは、特筆しておきたいところです。
というのも、イ・ヨンジさんは星野源さんのファンで、そのことは 双方のファンの間でも有名だったんですよね。
ヨンジさん、過去のライブで『恋』を歌唱!「恋ダンス」も披露
2024年1月30日には、イ・ヨンジさんが来日、東京・豊洲PITで行われたライブ「LEE YOUNGJI 1st ASIA TOUR“THE MAIN CHARACTER”-TOKYO」のアンコールで、星野源さんの『恋』を歌ってくれたんです!
(こちらのインスタの6枚目が、楽屋での恋ダンス動画です↓)
星野源さんは、イ・ヨンジさんのインスタをフォローしていて、このヨンジさんの投稿には、源さん本人が「いいね」をしています。
星野源さんが、ヨンジさんのライブに
なんと、同年の年末(2024年12月)に行われたヨンジさんのライブ前には、星野源さんが挨拶に訪れたのだとか。
その喜びをライブで話すヨンジさん。その直後には、自然に、ファンと共に「恋」の合唱になりました!
開演前なのかな?まさかの星野源さんが来ていたらしくご挨拶したらしい😌
— ま (@dinochan_o211) December 19, 2024
なにかの合間だったのかすぐ帰っちゃったみたいだけど良かったねヨンジや~🤲🏻🤲🏻
その流れからの恋披露は歓喜😭1月の記憶蘇る~!
#イヨンジ #星野源 pic.twitter.com/paZxY3rVu5
アンコールでも、当初は予定に無かった『恋』を、また歌ってくれたんだそうです。
241219
— 紫大根 (@pupuplory) December 19, 2024
2024 LeeYoungji WorldTour
''ALL OR NOTHING''
アンコールでの話題
星野源が楽屋挨拶に来てくれたと言っていた
本来予定になかった「恋」をまた歌ってくれた❤️🔥#LeeYoungji #이영지 #イヨンジ pic.twitter.com/fWS0tEnU7D
ヨンジさん「덕계못(オタクは運が良くない)というのは、全部嘘でした」
そして今回の、源さんのアルバム『Gen』のトラックリストが公開された後、ヨンジさんはインスタストーリーで、こう言っていました!
중학생 때 맨날 노래방 가서 호시노 겐 님 노래 불렀었는데 이렇게 콜라보하게 되네요.
소원 성취가 끝이 없다
덕계못은 다 거짓말이야
(引用元:fastpaper 2025.4.23 )
【和訳】
(ヨンジさん)「中学生の頃、いつもカラオケに行って星野源さんの歌を歌っていたのに、こうしてコラボすることになりました。
願成就というのは果てしなく続くんですね。덕계못(オタクは運が良くない)というのは、全部嘘でした。」
※「덕계못(ドッゲモ)」はオタク用語の1つで、「オタクは運が良くない」という意味で使われます。
中学生時代から源さんのファンだったヨンジさん。
ヨンジさんの夢と共に、お2人のコラボを見られるという、我々オタクの夢がかないました。
感謝です。감사합니다(ありがとうございます)!
イヨンジさんについて
【이영지(イ・ヨンジ)さんプロフィール】
生年月日:2002年9月10日生まれ
出身地:ソウル(楊川区 新井洞)
職業:ヒップホップアーティスト(ミュージシャンとしての仕事以外にも、番組MCなど多方面で活躍)
所属事務所:메인스트림(メインストリーム)(2025年5月現在)
公式サイト
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2019年、ヨンジさんが高校1年生の時のこと。
友達と行ったカラオケで 彼女のラップが好評となり、友達から勧められたこともあって、高校生のラップバトル番組「High School Rapper 3」に出演したところ、「史上初の最年少女性」で優勝します。
ヨンジさんがラップを始めたのは、意外や意外、この番組に出演する半年前からだったそうです。
(参考:billboard JAPAN )
2022年には、ラップコンペティションプログラム「SHOW ME THE MONEY」で女性初の優勝者となり、Mnetのヒップホップコンペティションプログラムでは、史上初の複数回の優勝者、という「記録」を打ち立て、一躍脚光を浴びる存在となりました。
イヨンジさんは、これらについて「ありがたい」としながらも、「女性初」「史上初」等(のカテゴライズ)は、自分を縛るものでもあった、と、苦しい胸の内も明かしています。(参考:KBS Kpop [아이엠온더비트] EP.7 )
2024年にリリースした『Small Girl』は大ヒットし、韓国の音楽番組で6冠を記録しました。
もちろんのこと、彼女の初のEPアルバムである『16 Fantasy』は有名ですが、実はデビュー当時から、彼女の参加作品は数知れず。
例えば、nafla,、Loopy、PLUMAとコラボした『I’m the ONE』(2019年)。
ヨンジさんは、ソングライターとしても参加しています。
日本公演について…2024年1月に初の来日公演「LEE YOUNGJI 1st ASIA TOUR “THE MAIN CHARACTER”-TOKYO」、同年(2024年)12月にも「2024 LEE YOUNGJI WORLD TOUR ALL OR NOTHING」が開催されました。
(そう、イヨンジさんが『恋』を披露してくれた、あのライブです!)
ヨンジさん自らが作った電話ケースの収益金を 全額寄付
イ・ヨンジさんは、新型コロナの感染拡大を防ぐための願いを込め、「外出しないで」という文字が入った電話ケースを作ったことがあります。
そして、その収益金を全額(総額2億4000万ウォン)を寄付しています。
ユンジさんは、「大きな教訓を得ました。 お金を持たなくても、こんなに心が豊かなんだな、誇らしいな、と。 20歳になったら何をしたいかと聞かれましたが、寄付に思い入れがあります。」と、当時のインタビューで答えています。
(参考:Vogue 2023.2.26 )
イヨンジさんのYouTubeチャンネル
ヨンジさんは、人気番組にも多数出演するなど、エンターテインメントセンスを活かして、様々なジャンルで活躍しています。
ヨンジさんのYouTubeチャンネル『차린건 쥐뿔도 없지만(大した物はこれっぽっちもありませんが)』も人気です。
ヨンジさんの自宅にゲストをお招きし、お酒を飲みながらトークするという番組です。
毎回、料理やお酒を用意し、ゲストをもてなします。
ヨンジさんの、ノーメイク&ラフな感じで進めていくMCが評判ですが、SEVENTEENのホシがゲストの時は、メイクばっちり!なことも 話題になりました。



イ・ヨンジさんは、SEVENTEENのホシの大ファンでもあります。
これには、「ヨンジ可愛いすぎ」と、好きな人に会うときの気持ちが表れている、と共感が集まったりも。
とはいえ、トークはヨンジさんらしいユーモアセンス満載でした!



BTSユンギさんのYouTubeコンテンツ『シュチタ』のような感じですね。
JINさんもゲスト出演したことがあります!
めったに会社の外で撮影をしないため、少し緊張気味だったJINさん。
ヨンジさんが いつものように「本当の飲み会」のような雰囲気を作り、和ませます。
すると JINさんが本音を語るシーンも見られました。
(※途中から、2人のグラスにはちゃんと、スタッフさんが水を注いでいます。強いお酒や一気飲みは、急性アルコール中毒の危険性があるので、番組内でやっている飲み方の真似をするのは やめましょう。)
なんと、坂口健太郎さんがゲスト出演の回もあるんです。
お2人のトークがめちゃくちゃ良かったので、ぜひ観てみてくださいね!
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