2025年1月28日生放送の「DayDay.」で、ヒロミさんが、中居さん宅のBBQに参加していたことを明かしました。
そして「その場の雰囲気は、中居も含めて普通のBBQでした。」と説明しています。
先んじて週刊誌では、X子さんが「キャバクラみたいだった」と友人に語ったと報じられており、SNSでは、ヒロミさん、被害者のX子さんの証言に食い違いがあるのではないか、と疑う声が多く見られました。
これには大きな社会問題が背景になっています。
これは「普通」のBBQだったのか?この点にフォーカスして、解説します。
ヒロミさんの「DayDay.」での説明はどんなもの?
ことの発端は、朝のバラエティー番組「DayDay.」(日本テレビ系列)2025年1月28日の放送です。
ヒロミさんは、自身も中居氏宅で行われたBBQに参加していたことを、生放送中に明かしました。
先ずは、ヒロミさんの発言をまとめます。(要所のみ)
ヒロミさんの発言についてご存知の方は、目次から、次へスキップしてください。
BBQが開催された経緯について
BBQが行われたのは、2023年5月31日15時頃からでした。
当日はゴルフの予定だったが、天候が悪かったため、やめましょう、ということになったそうです。
(ヒロミさん)「べーさん(鶴瓶)もギックリ腰だった。せっかくスケジュールがあるんで、BBQやりませんか?という中居から話があって。」
「どこでやんだよ?と聞いたら、“うちでどうですか?”と」
「メンバーは、中居が“なんか考えます”と」
「普通のBBQです。ホントに申し訳ないけど。」
「そこには、テレビ局のスタッフ、社員さん、他局のテレビ局のスタッフさんがいて、BBQの支度をしたりなんかして。」
「僕はホントに火起こしをしたりとか。やった事ないんだよ、みんな。で、(火起こしを)やってました。」
BBQは、どういう雰囲気だったのか?
雰囲気について。
(ヒロミさん)「普通のBBQです。ホントに。鶴瓶さんもいるし、僕もいるし、中居も、テレビで見てるような中居。テレビ局の人たちも。」
「僕が、その人たちが誰だった、っていうのが、挨拶も多分したと思います、しかしあの、ホントに申し訳ない、誰々さんなんですね、誰々さんなんですね、なんていう記憶が本当に無かったんです。その(取材依頼の)FAXをもらうまで。」
ヒロミさんと鶴瓶さんは、途中で帰った
(ヒロミさん)「バーベキューやりました。夕方になって、寒くなりました。
僕寒いの苦手、ホント寒い、暗くもなったし、じゃ、この後は部屋でみんなでバーベキューの続きを、みたいな感じになって、で僕はそこで帰ったんです。鶴瓶さんと帰りました。」
「その後に何が、ってのは、残ったテレビ局のスタッフたち、他局の人も含めて、どこまで続いたのか、っていう話を、いま(まで)金輪際、彼ともしたことが無かったですし、それ以降に“あのBBQは何だった”っていう話もしたことが無かった…っていうぐらいの、僕の中の記憶を、その雑誌の人にもお話ししました。」
BBQを主催したのは?
BBQの主催者について。
(ヒロミさん)「中居ですよ、これ間違いなく。メンバーも、誰が来るかというのは全く知りませんでした。
現場に行って、あ、こういうテレビ局の人がいるんだ、ただそれを俺は“普通”だと思ってしまった。
いけないことなのかもしれない、今こういう問題になってるってことは。
でも、何ら、それが変な感じ、という受け入れはしていませんでした。」
「BBQが終わって(一区切りついて)というか、それで帰ってしまったので。これが僕の全てなんです。
ホントに、何か質問があれば、全然聞いてもらっても構わないです。」
(※ヒロミさんによると、BBQは中居氏が主催ということでしたが、X子さんをこのBBQに誘ったのは、A氏です。
週刊文春の報道によるとX子さんはA氏から「今後の仕事につながる」と、中居氏宅でのバーベキューに参加するよう誘われています。)
会食の場は、それまでもあったのか?
(武田真一アナウンサー)「中居さんや、テレビ局の女性も同席するような会食の場って、それまでにもあったんですか?」
(ヒロミさん)「中居と僕が、あんまり食事をするタイミングが無いので。バーベキューをやったってのは、この1回だけです。彼と食事をしたっていうのも、番組終わりで食事をするっていうのが過去に何回かあります。そこに女性が伴ったことは1度も無いです。」
「で僕は、ホントに彼(中居)がそんなに女性とか、あんまりそういう場が好きじゃないんだろうな、って僕はホントに思っていて。その時も僕は、若い人と話すっていうのは僕は自分でもう、オヤジだって分かってます、もう60歳。20代のアナウンサーさん、社員さんとかに話しかけるとか、自分から行くタイプではないんです。」
「だからホントにそこで色んな話をしたっていう記憶が全くないので、誰々だったんだ、誰々だったんだ、っていう記憶がホントに申し訳ない、無いっていうのが、僕もびっくりした、っていうのがあって。」
「女性の方をホステスさんのようにしたんですか?」
ヒロミさんは「BBQ(の雰囲気)が変な感じでしたか」「女性の方をホステスさんのようにしたんですか?」と取材でも聞かれたことを話します。
(ヒロミさん)「全くそういうことはないです。」
「昼間のホントにBBQで、ベランダでやったようなBBQ。それも広いベランダ。なのでそういうのを感じなかったし、ただただ、僕は途中で帰った、その帰ったってことが何か、“僕は帰ったから関係ないんだ”みたいに思われるのもあれなんですけど、実際にそうなので。」
山里さん「我々も変わってかなきゃ」
山里さんが、最後に「望まない会食への参加」について意見しています。
(山里さん)「共演者の方との会食ってものがあって、それが時代とともに変わってくんだったら、我々も変わってかなきゃならないっていう話で…」
(ヒロミさん)「そう、だから、僕も変わらなきゃいけない、ってホントにそう思ってます。」
「僕はスタッフさん…ADさんも含めて、慰労としてやったこともあります。だけど、それもこれからやらない方がいいのか、間違っていたのかというのも、自分の中にも問いました。」
うん、うん、これは、私たち皆が、問い直したい課題ですね!
そうですね。
それに、山里さんが「時代と共に」と仰っていましたが、これは、今も昔も繋がっている問題です。
昔も、言えなかっただけで参加せざるをえなかった環境だったのは、変わらない。
鶴瓶さんが、過去にBBQのことを語っていた
また、鶴瓶さんが、2023年9月放送のトーク番組「きらきらアフロ」(テレビ大阪・テレビ東京系)の中で、そのBBQの時のことを話している映像がありました。(※これは事件が明らかになる前です。)
※以下は、2023年9月のポストです。ツイート主さんも、事件とは関係なく呟いています。
この中で、鶴瓶さんが、BBQ当日、ヒロミさんが鶴瓶さんに「べーさんもう帰ろうや」と言って、途中で帰ったことを明かしています。
なぜ、ヒロミの説明と「食い違って」いるのか?
なぜ、「普通のBBQ」/「女性たちは接待要員」と、参加者ご本人たちの見解が食い違っているのでしょうか?
社会的「強者」と「弱者」の視点の違い
それは、ヒロミさんという「ベテラン」の「男性」からの視点と、「若い」「女性」という「社会的弱者」側からの視点とが違うからです。
ヒロミさん視点から見ると「普通のBBQだった」のでしょう。
これは、「詭弁では」との憶測も言われていますが、ヒロミさんが話していた様子を見ても、おそらく「本当にそう思っていた」のだろうと思われます。
一方で、被害者X子さんにとっては「職場で“上の立場にある”A氏に言われ、仕事として行ったBBQ会場で、A氏から“鶴瓶さんの隣に行くように指示され”た場」です。
(週刊文春では、A氏が女性たちに「鶴瓶さんの横に行って」と指示を出したことが、報じられています。)
このような指示は、明らかに女性たちを接待要員のように扱っています。
なぜ、ヒロミさんは「普通」だと思ったの?
ではなぜ、ヒロミさんは「普通のBBQだった」と感じたのでしょうか?
ひとつには、ヒロミさんは火起こしをしたりなど、どちらかというと、料理の裏方として働いていた側だったからです。
「ヒロミさんは少し離れたテラスで、火起こしなどの作業をやっていた」と報じられています。
ヒロミさんは、みんな火起こしをやったことがなかったので、得意な自分がやっていた、という趣旨のお話しをされていました。
誰かの指示があったわけでも、火起こし等の準備をやらなければならないような圧力を感じたわけでもありません。
また、ヒロミさんご自身も、慰労の意味で、テレビ局のスタッフを呼んで、食事会をやったことがある、と明かしています。
ご自身が開催した際には、慰労・打ち上げの趣旨だったため、くだんのBBQも、自然にそう受け止めたのではないか、と推察されます。
しかし、ヒロミさんは「その場の雰囲気は普通だった」というのではなく、「僕は、そう感じた」と伝えた方がいいと思います。
女性参加者のプレッシャーや負担、「その場でどのように感じたか」は、ヒロミさんからは分からないことだからです。
でも、鶴瓶さんの周りには女性がいたのでは?
週刊文春では、A氏が女性たちへ「鶴瓶さんの横に行って」という指示があり、「まるでキャバクラのようだった。」と、すごく嫌な気持ちになったというX子さんの気持ちが、ご友人からの証言により報じられています。
「男性スタッフはお酒を作る役割だった」「鶴瓶と中居が下ネタを話していた」とも報じられています。
この報道が本当であれば、明らかに「普通」ではありません。セクハラ・パワハラがあったと言わざるを得ません。
「鶴瓶さんの視点からはどうだったのか」については、今のところ、報じられていません。(2025年1月29日現在)
もし報道が事実であり、仮にこれを「普通」と思っていたならば、大きな問題です。
ここには、日本社会が長らく抱えている闇、根深い3つの原因があります。
- 男尊女卑の社会であること(テレビ局に限らず)
- 取引先(ここでは芸能人)からのセクハラから、部下・同僚を守らない
- 部下は上司に従うべき(勤務時間以外も拘束する)
もちろん、鶴瓶さんと同じ年代の男性の方が全てそうだ、というのではありません。
今も昔も、「人と人は対等な関係である」、「勤務時間以外は拘束しない」と考え 人権を尊重する人が、(比べると少人数にはなりますが)います。
しかし、これら3つの社会通念は根深く、業種に限らず、コミュニティに限らず、日本社会全体の問題です。
鶴瓶さんが「普通」と感じたとしたら、長らく日本社会にはびこってきた「普通ではない状態」を普通だと認知してしまっているということで、これは鶴瓶さんに限ったことではありません。
※上記では、「報じられている性暴力事件」についてではなく、BBQ当日のことを指摘しています。
そしてまた、「性暴力事件当日」も、この「日本社会の3つの問題」をふまえると、X子さんが「性暴力事件当日に、中居氏の家に行ったこと」は文春が示唆している通り、A氏がセッティングしている会(BBQと、寿司店での二次会)の延長上にあると認識するのは、当然のことです。
(※バーベキューの後、中居氏が「寿司が食べたい」と言い、中居氏、A氏、X子さんの3人で寿司屋に移動したことが、週刊文春などのメディアで報じられています。寿司店で、A氏が「この2人が付き合ってくれたらなぁ」と発言、X子さんが驚いて反論したということも伝えられています。)
X子さんが、ヒロミさんたちの帰ったタイミングで帰れなかったということも、「自由に帰ることができないプレッシャー」があったのではないか、と推察します。
「普通」とされてきた「女性」の「役割」
日本社会では長らく、職場の飲み会は「仕事の延長」、または「仕事」という認識が多くの職場で、今だにあります。
コロナ渦では「会社の飲み会に行かなくて済むことだけは、嬉しい」という声も良く聞きました。
一応 出欠を取るものの、「行かなければならない」雰囲気は、今だにあります。
また、少しずつ変わってきてはいるものの、女性がしばしば「お酌役」や「取り分け役」としての役割を担わされることも多いです。
このBBQでは、若い男性スタッフも「飲み物作り要員」とされていました。
全ての人が人権を学び、この、普通ではない「普通」という感覚を改めていかなければなりません。
そして何より、加害者を生まない社会にするために。
性教育を含む人権教育を、全ての人が受けられる環境を、できるだけ早く整えていきたいですね!
まとめ
これから事件はどう動く?
この事件では、「X子さんが、A氏がセッティングする会(“接待要員”として行かなければならない“仕事”)と認識した」、つまり、そう認識する「システム」がありました。
その根幹が明らかにされなければなりません。
少しでも被害者の心の救済、そして2度とこのような事件が起きないためにも、こういった環境をつくったA氏、そしてA氏をそのように「育てていった土壌」を、徹底的に調べる必要があります。
この点、多くの方からも指摘されています。
今までは「守秘義務」が隠れ蓑に利用され、明らかになっていなかったことも、これから、第三者委員会の調査で明らかになってくると思いますし、そうならなければなりません。
中居氏もA氏も、フジテレビ・港氏はじめ関係者も、誠実に調査に応じて頂きたいです。
そして、真摯に、償っていってほしいと思います。
「謝罪」について
※加害者が、被害者の望まない「謝罪」を行うことは、二次加害になります。
フジテレビの港・元社長も「直接、本人に謝罪したい」と記者会見で述べていましたが、港氏は、番組を差し止めなかった理由に、よりにもよって、被害者のため、という「口実」に利用したことで、余計に被害者のことを傷つけています。
被害者が希望する以外は、絶対に、被害者の方に接触することはしないようにお願いしたいです。
フジテレビの経営陣は、守るべき存在である自社の女性社員を、在籍中も退社後も、逆に切り捨ててきたことが判る会見でした。
事件を把握した後、コンプライアンス部門に共有しなかったことも、そうです。
自社(フジテレビ)の社員さんが、あの記者会見で、勇気を出して港・元社長に質問していました。
「その時に、(社長は)隠そうと思ってしまったのではないのですか?」
彼は、人としてどうあるべきかを、真剣に元社長に問うていました。
(港氏の答えは、残念ながら変わりませんでしたが…)
経営者や会社として、というよりも「人として」今からでも、良心に従って 本当のことを言うべきだと思います。
また、まだ明らかになっていないことについて、数々の「憶測」も飛び交っています。
X子さんに対する誹謗中傷も、ヒロミさん、鶴瓶さんに対する誹謗中傷も、やってはいけないことです。
もちろん、中居氏、A氏に対しての人格否定も、やってはいけないことです。
皆で、SNSで声を掛け合っていきましょう。
中居さんのファンが、「被害者の方に対する誹謗中傷をやめて」と呼びかけているのも、お見かけしました。
そして報道の皆様、真実を追求するのは もちろん大切ですが、「被害者の方が目にするかもしれない」を常に念頭に置いて、それから、同じような被害に遭われた多くの方々が読むことに配慮して、記事を執筆して頂けますよう、お願い致します。(自戒を込めて)
人権教育と、皆で考えていくことが、再発防止
もちろん、この事件には、日本の性教育・人権教育の遅れが要因としてありますが、日本社会の「男尊女卑」「取引先に逆らえない」「上司の優位性」といった社会問題のひとつひとつの点が線となり、犯罪に繋がったと分析します。
これらの問題は、地続きです。
日本の社会問題に起因する事件である限り、テレビ局の業界だけではありません。
もう2度と被害者を出さないために、私たち皆で考えていかなければならない問題だと思っています。
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