アメリカで人気上映中、日本では公開日は「未定」の映画『オッペンハイマー』ですが、音楽が素晴らしい!と話題です。
映画は、日本ではまだ観られませんが、オッペンハイマーのオリジナル映画サウンドトラックは、2023年7月21日より配信されていますので、まだの方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
「音楽を聴くのは、映画を見る時まで、取っておきたい!」というかたは、動画は飛ばして、お読みください <(_ _)>
映画『オッペンハイマー』のOSTについて
オッペンハイマーのサントラ「Oppenheimer (Original Motion Picture Soundtrack)」は、全曲、Ludwig Göransson(ルドウィグ・ゴランソン)作曲です。(ルートヴィヒ・ヨーランソンと表記されることもあります。)
ゴランソンは、全曲、プロデュースもしています。
『Trinity(トリニティ)』と『Something More Important(サムシング・モア・インポータント)』についてはThomas Kotcheff(トーマス・コッチェフ)が追加執筆しています。
Oppenheimer (Original Motion Picture Soundtrack)トラックリスト
オッペンハイマーのOSTは、全24曲です。
Oppenheimer (Original Motion Picture Soundtrack)トラックリスト
No. | タイトル | 時間 |
1. | Fission | 4:38 |
---|---|---|
2. | Can You Hear the Music | 1:50 |
3. | A Lowly Shoe Salesman | 3:34 |
4. | Quantum Mechanics | 3:00 |
5. | Gravity Swallows Light | 3:30 |
6. | Meeting Kitty | 5:47 |
7. | Groves | 3:03 |
8. | Manhattan Project | 3:01 |
9. | American Prometheus | 2:37 |
10. | Atmospheric Ignition | 3:28 |
11. | Los Alamos | 2:38 |
12. | Fusion | 3:55 |
13. | Colonel Pash | 4:57 |
14. | Theorists | 3:14 |
15. | Ground Zer | 4:21 |
16. | Trinity | 7:52 |
17. | What We Have Done | 5:45 |
18. | Power Stays in the Shadows | 4:10 |
19. | The Trial | 5:32 |
20. | Dr. Hill | 4:23 |
21. | Kitty Comes to Testify | 4:52 |
22. | Something More Important | 3:25 |
23. | Destroyer of Worlds | 2:54 |
24. | Oppenheimer | 2:16 |
『オッペンハイマー』OSTを作った ゴランソンは、どんな人?
ゴランソンの生い立ち
Ludwig Göransson(ルドウィグ・ゴランソン)は、1984年9月1日生まれ。
スウェーデンのリンシェーピングで生まれ育ちました。
ルドウィグの名前の由来は、ベートーベン(Ludwig van Beethoven)のファーストネームからだそうです!
幼い頃から、ギター教師である父に、音楽を教わって育ちました。
ストックホルムの音楽大学を卒業。
2007年に渡米して、南カリフォルニア大学で、映画・テレビ番組の音楽を学んでいます。
ゴランソンが手掛けた映画音楽
Ludwig Göransson(ルドウィグ・ゴランソン)は、映画作曲家でもあり、音楽プロデューサーとしても知られています。
数多くの映画音楽やテレビ番組の音楽を手掛けています。
【ゴランソンが音楽を手掛けた映画】
『フルートベール駅で』(2013年)
『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年)
『エブリシング』(2017年)
『ブラックパンサー』(2018年)
『ヴェノム』(2018年)
『クリード 炎の宿敵』(2019年)
『TENET テネット』(2020年)
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022年)
他、多数
ゴランソンが、『フルートベール駅で』・『クリード チャンプを継ぐ男』・『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督と知り合ったのは、大学時代でした! 前述の南カリフォルニア大学です。
映画『フルートベール駅で』では、ゴランソンはBART(「Bay Area Rapid Transit」 アメリカの鉄道)の電車の走行音を、シンセサイザーで加工することで、表現していました♪
『フルートベール駅で』は、2013年のサンダンス映画祭やカンヌ国際映画祭などで賞を受賞しています。
また、映画『TENET テネット』は、『オッペンハイマー』の、クリストファー・ノーラン監督の作品です。
ゴランソンがChildish Gambinoとプロデュースした楽曲『Redbone』(2016年)
アメリカの俳優・プロデューサーであり、ラッパー・歌手としても活躍する Childish Gambino(Donald Gloverの音楽活動名義)の『Redbone』は、ゴランソンと共同プロデュースした楽曲です。
10年以上の付き合いのあった(2016年当時すでに)ゴランソンとの二人三脚で作った『Redbone』はアルバム『Awaken, My Love!』に収録されています。
(このアルバムでも、ゴランソンが楽曲制作・プロデュースに参加した曲 が多数あります)
『Redbone』は、ビルボードホット100で75位に初登場、最高12位を記録しました。
この曲は、Childish Gambinoにとって、初めてアダルトR&Bチャートのナンバーワン・シングルとなった曲でもあります。
最優秀レコード賞を含む 3 つのグラミー賞にノミネート、最優秀トラディショナル R&B パフォーマンス賞を受賞しました。
『ローリング・ストーン』誌が、2018年、「今世紀これまでで最も偉大な100曲」リストにこの曲を入れ、「革命を起こそうとしているように感じられた あの70年代のブラック・ミュージック」の精神を抽出した曲、と紹介しています。
「今世紀これまでで最も偉大な100曲」では47位に選ばれています。
(Rolling Stone 2018.6.28より)
The Making Of Childish Gambino’s “Redbone” With Ludwig Göransson
「オッペンハイマー」の楽曲制作ではないのですが、ゴランソンが、どのように楽曲づくりをしているか分かる、貴重なメイキング映像です!(前述の『Redbone』のメイキングです。)
最新の機器に、楽器の生演奏を重ねて、丁寧に制作していくスタイルに、見入ってしまいました。
ゴランソンさんの音楽、もっと聴いてみたいです♪
スウェーデンの、Litteris et Artibus(リテリス・エ・アルティブス)(文学と芸術)の勲章を受けました!
ゴランソンは、今年(2023年)1月28日、Litteris et Artibus(リテリス・エ・アルティブス)の勲章を授与されています。
スウェーデンおよび世界の音楽界における優れた芸術的業績に対しての授与でした。
王室ホームページの「MEDALJEN LITTERIS ET ARTIBUS(文学と芸術のメダル)」の項目の2番目に、ゴランソンの名前があります!
Kompositör Ludwig Göransson(作曲家 ルドウィグ・ゴランソン)、
För framstående konstnärliga insatser inom svenskt och internationellt musikliv(スウェーデンおよび国際的な音楽活動における優れた芸術的業績に対して)と明記されています。
Medaljen Litteris et Artibus(リテリス・エ・アルティブスのメダル) は、1853 年に当時皇太子だったスウェーデン国王カール 15 世によって制定されたスウェーデン王室の勲章です。 この賞は文化、特に音楽、演劇芸術、文学に重要な貢献をした人物に授与されます。
メダルの表面には現国王の肖像があり、裏面には「Litteris et artibus」(文学と芸術)という文字が刻まれています。
ゴランソンは、自身のInstagramで、授与式の写真と共に、「A great honor to receive the litteris at artibus medal from the 🇸🇪 King and Queen. (スウェーデン国王夫妻から、litteris at artibusメダルを授与されたことを、大変光栄に思います。)」とメッセージを寄せています。
OSTより4曲/『Fission』,『Can You Hear the Music』,『Destroyer Of Words』,『Oppenheimer』
こちらは、Oppenheimer (Original Motion Picture Soundtrack)より、4曲です。(Back Lot Music公式YouTubeより)
情景を音楽で見事に表現してしまう、ゴランソンの音楽が、映画の緊迫感を盛り上げています。
『Fission』
『Can You Hear the Music』
『Destroyer Of Words』
『Oppenheimer』
Oppenheimer /Opening Look
もう、ご覧になったかたもいらっしゃると思いますが、Universal Picturesが7月に公開した、映画「オッペンハイマー」の「Opening Look」特別映像(約5分間)を、今一度、最後に。
音楽が素晴らしいからこそ、迫力があり、映画のテーマが、原爆の開発にたずさわったオッペンハイマーの苦悩ということで、緊迫感がつらい、大画面で観るのは怖い、というかたもいらっしゃると思います。
ゴランソンさんが、この映画の情景・人物の心情を音楽で表現する過程、楽曲たちを創る過程を想像してみますと、胸に迫るものがありますよね。
日本での公開は、いつになるか決まっていません(8月17日現在)。
Universal Pictures公式YouTubeで、このOpening Lookのほか、オッペンハイマーのTrailer、キャスト特集が見られます。
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