待ちに待った、テテの新たなソロシングル『FRI(END)S』がデジタルリリースされ、MVが公開されました!
MVはまるで1本のショート映画のようで面白く、物語に引き込まれてしまいます。
この物語にどんなメッセージが隠されているのか、気になりますよね。
『FRI(END)S』のMVを、考察してみたいと思います!
『FRI(END)S』楽曲について、テテからのコメント
考察の前に、先ずはテテから楽曲についての説明があったので、(ご存知のかたも多いと思いますが…)共有しておきます。
テテはARMY(ファン)に向け、この楽曲について
「長い間友達だった関係を終わりにして、ふたりの関係をもっと発展させたい心を歌いました。『Friend』を『end』しようという、春にぴったりな告白ソングです。」とコメントを残してくれています。
日本にも「友達以上恋人未満」という言葉がありますね。
親友から恋人に変わる直前のキュンキュンする気持ち、解ります!
一線を越えてしまったら…と心配する気持ちの一方で、この気持ちのスピードが落とせない。
友だちという関係に〝終止符″を打とう、そんなラブソングです。
MVについては、テテから(公式から)の説明がありませんので、今回も、世界観を楽しんで!あなたの感じるままに考察してみてね!と、聴き手にゆだねてくれているようですね。
ラストシーンのテテの表情が、そう言ってくれているような笑顔でした!
MVの考察 時間のループ
このMVでは、何回も同じ行動を繰り返す「時間のループ」が見どころとなっていますね。
ベッドで目覚める→歯磨き→食事→バスの車内→お店→レストラン、ラストは車の前に飛び出してしまい、倒れている→そしてベッド目覚める→歯磨き…の繰り返し
そして、そのシチュエーションは毎回違っています。
最初はひとりの世界→2番目は恋人がいる世界、と繰り返され、3番目は「自分が2人いる」世界で目覚めたところで終わります。
さあ、3番目の世界での続きは…?
この続きを、聴き手にゆだねています。
なので、この続きは、ひとの数だけ、様々な物語が生まれてくるのでしょう。
ここからは、筆者が想像した「続き」です。
あくまでも個人の「考察」としてお楽しみください。
主人公の男の子はやっと、自分自身と向き合うことができました(ラストの、ベッドで隣にいたのは自分だったこと)。
大切なことに気付き、もう迷わず、自分の人生を生きていきます。もう、ぐるぐるループすることはありません。
1番目の世界では、「自分はひとりで、退屈な日々を過ごしている。自分以外は、みんなカップルで、仲良くしている」の対比を表していました。
2番目の世界では、「大好きな恋人と一緒に過ごす、幸せな自分。自分たち以外のカップルは、みんなケンカしている」という対比です。
これが、主人公の男の子の心の中・世の中を見る視点を表しているとするならば、
1番目は「恋人のいない自分は、退屈な人生。世間の恋人たちが全て幸せに見えてしまう」、
2番目は「大好きな人と一緒の自分は、最高。僕たちは、どこのカップルよりも幸せ」。
「歩道から車道に飛び出してしまっている事に気付かない」は「大切なことが見えていない」ことを表します。
3番目に目覚めると、隣に自分がいます。そこでやっと「自分の人生は、自分次第だ」と気付いたのです。
「自分は自分であり、自分の世界をしっかり生きている自分は、幸せである。恋人がいてもいなくても。」
「僕の人生は、世間と引き比べて左右されない。僕は、どんな僕であっても、大切な存在なんだ。」
「愛は、決して何かに左右されることはなくて、僕の中にある〝変わらぬ愛″だ。」
のように気付けたのが、目覚めて自分と出会うラストシーンなのではないか、と想像します。
もう2度と、主人公の男の子は「車道には飛び出さない」でしょう。
ここは、様々な見方があると思います。
3つの世界はパラレルワールド、という見方もあるようです。
こちら、BTSの妹分とも言われる LE SSERAFIMの皆さん、ナ・ヨンソクPD、俳優のヨム・ジョンアさん、イ・ジョンジェさん、ソン・ドンイルさんのリアクションです。
ナ・ヨンソクPDは、
「Vさん1人だけが寂しい世界で、他の人たちが皆愛し合っている中で 1人でいた方がいいのか、それとも他の人たちが愛し合わない世界で 愛する人と2人でいた方がいいのか、そういったラブストーリーを、オシャレなMVとして上手く表現していると思います。」と考察。
ぐぬぬ…それは究極の選択ですよね。
どちらの世界がいいのか、の問いかけ、
考えさせられます!
MV撮影が素晴らしい
MVでは、1番目の世界と2番目の世界では、同じ俳優さんが、同じカップルを演じていますが、1番目はイチャイチャ、2番目は大ゲンカしている、という対比が見事で、誇張されている演出も、とても面白かったですよね。
1番目の世界でラブラブだったカップル2人が、2番目世界で大ゲンカ。
ハンバーガーセットを持ってきて、キレ気味でバンッ!とテテさんたちに提供するシーンも、めっちゃ笑いました。
俳優のイ・ジョンジェさんは「色合いもストーリー設定などもすごく良かったのですが、これはVさんのアイデアでしょうか。聞いてみたいと思います。」と絶賛されていました。(BANGTANTV より)
同性のカップルが自然に、当たり前に登場していることも、良かったですね。
「マイノリティ」とカテゴライズされる人々が、決してクローズアップされることなく、「当たり前に」登場することが、嬉しいです。これは、日本でも増えていってほしいと、思いました。
(例えば、「自閉症」等をテーマや主人公にするドラマではなく、当たり前にキャストの中に、自閉症の人々も登場している、のようなドラマ等。このMVの中の同性のカップルのように…。)
『FRI(END)S』MV撮影には、制作チームにインティマシー・コーディネーターの導入もあり、俳優の皆さんが安心してお仕事ができる環境が整えられていました。(参考:modelpress 2024.3.15)
インティマシー・コーディネーターとは、映画やドラマの撮影で、ヌードやセックスシーンなどを専門とするコーディネーター。
制作側と俳優の間で調整を行い、俳優が、場合によっては「No」と言える環境を作り、俳優が安心安全に撮影に臨めるようサポートしていきます。
「#MeToo」運動をきっかけに、米国でいち早く導入され、急速に世界に広がっていきました。
MVの撮影は、イギリスのロンドンで。キャスト・スタッフ総勢約150名での撮影だったそうです!
昨年(2023年)の11月27日から30日まで、テテさんロンドンに行かれていましたね。MV撮影と報じられていましたが、『FRI(END)S』の撮影だったのですね。
『Rainy Days』のMVと共通するところも
テテのソロアルバム『Layover』の1曲目『Rainy Days』も、過去と現在の行ったり来たり、という時間の流れの表現がありました。
飲み物に入れたお砂糖が、逆再生で容器に戻ったり、薔薇の花が蕾に戻ったりと、恋人がいた楽しい時間と、お別れしてしまった現在の時間を表していました。
『Rainy Days』MVも、『FRI(END)S』MVも、「主人公の苦悩」や「時間の流れ」が見事に描かれています。
『FRI(END)S』のMV テテの恋人役は誰?
『FRI(END)S』のMVで、主人公の恋人役を演じているのは、Ruby Sear(ルビー・シアー)さんです。
ルビー・シアーさんは、イギリスの俳優であり、画家でもあります。
歌詞の考察 「2009年」とは?
歌詞の中に「You and I go back to like ’09, it’s like forever / 君と僕は2009年からまるで永遠のよう」というフレーズが出てきます。
「子どもの頃から」や「14歳の頃から」ではなく、あえて「2009年から」という言葉をチョイスしたのは、何か理由があるのでは?と思いますよね。
う~ん…テテは1995年生まれで、2009年は14歳、中学生の頃ですね。
BTSのエピソードではなさそうですね。
作詞作曲に テテは参加していませんが、「2009年」は、テテにとって特別な年だったのかもしれないです。
今後、テテが語ってくれるかもしれませんね。
テテは、子どもの頃、両親が共働きで忙しく、おばあちゃんに14年間育ててもらったことを明かしています。
「14年間」というところで、子どもから大人へ、幼なじみから恋人同士へ…と変わるときを、表現しているのかもしれません。
あるいは、ごく一般的に「2009年から2024年」の年月の長さや、時代の移り変わりを表すのに、数字を使うとより実感がわく、ということで2009を使った可能性もありますね。
歌の中の彼から彼女へ「15年もの長い間、一緒にいてくれて、支えてくれて、ありがとう」の気持ちを、時間の長さを用いて伝え、聴き手が「2009年かぁ…こんな時代だったよね…。そして、今は2024年、あっという間で長い年月だ」と、時の流れをイメージしやすいように、だったのかもしれません。
一応、「2009年」の韓国の出来事を載せておきます。
【2009年 韓国での主な出来事は?】
・K-POPシーンでは、少女時代や2PMなどのグループが活躍し、韓国版「花より男子」が人気となっていました。
・50,000ウォン紙幣が発行されました。
・大統領経験者の悲報が相次ぎました。
2009年5月、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が自ら命を絶ち、多くの韓国国民にショックを与えました。
同じ年の8月、金大中(キム・デジュン)元大統領が83歳で逝去しています。
・朝鮮王陵(チョソンワンヌン)が、世界遺産に加わりました。
これは、「Friend」を「end」して、恋人になろうとしている2人の歌です。
そして、筆者には、『FRI(END)S』には、もしも2人が恋人として付き合って、そして何年か経って恋心が冷めてしまったとしても、その時また「Friend」に戻れる、の意味があるようにも思えます。
「Friends」の中に「end」が含まれていても、「Friends」は「Friends」。壊れない、と。
恋が「end」してしまっても、2009年からずっと、幼なじみとして大切な存在だった彼女とは、失恋ごときではこわれない友情がある。そんな見方も浮かんできました。
例えば、ドイツでは、離婚した元配偶者とも、一生、友人として付き合っていく間柄だったりしますし、日本でも、そういう経験を持つかたもいらっしゃるでしょう。
MV・歌詞にまつわる色んな人の考察を見てみると面白いと思います!
それらと、あなたの思う物語とを比べてみるのも、きっと楽しいです💙
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