『厨房のありす』が本日(2024年1月21日)放送スタートします。放送スタート前から「自閉スペクトラム症」の主人公、ということで注目されていますよね。
どのように描かれていくのか楽しみですが、今までに「自閉スペクトラム症」にスポットを当てたドラマには、どんな作品があるのでしょう? 数々のドラマの中から3作品、ご紹介していきたいと思います!
ドラマ『厨房のありす』は、どんなドラマ?
まずは、本日1月21日(日)から放送スタートの『厨房のありす』について。
日本テレビ系ドラマ、毎週日曜日 22:30から放送です!
「料理は化学です」が口癖の自閉スペクトラム症の天才料理人・ありすと、様々な生きづらさを抱えた人々が織りなす、クスッと笑えてグッとくる少し切なくて温かいハートフル・ミステリー!
『厨房のありす』公式Xより
とにかく化学式のセリフが膨大で、門脇麦さん、通常ドラマでは1日でセリフを覚えるところ、3日前から覚えているとのこと。
料理と化学式といえば…最近でいうとTBS系『フェルマーの料理人』(2023年10月20日~12月22日放送)が記憶に新しいですよね。
数学的思考で、数々の創作料理を生み出していた北田岳シェフ(高橋文哉 )を思い起こします。北田岳シェフと、『厨房のありす』の、ありすシェフの、それぞれの描かれ方の違いも、楽しめそうです。
『厨房のありす』はミステリー、ということで、永瀬廉さん演じる 住み込みバイト役の青年・酒江倖生が「過去に色々と抱えている人物」であり、話を重ねるごとに明かされていく、ミステリー要素も見どころとのこと。
『厨房のありす』制作に「チャレンジドLIFE 」が協力
『厨房のありす』ドラマ制作には、チャレンジドLIFEさんが協力しています。チャレンジドLIFEは、当事者ママさんたちで運営する一般社団法人です。
昨年(2023年)は、タレントで3児のママでもあるくわばたりえさんと 発達障害の専門家 片山泰一先生とのトークイベントも行われるなど、保護者が共に学べる場として様々な企画をしています。
本ドラマの制作において、チャレンジドLIFEはプロデューサーの鈴間広枝様、脚本家の玉田真也様らより自閉スペクトラム症の子育てについて取材を受け、制作に協力いたしました。
本ドラマを通じて、自閉スペクトラム症について少しでも知っていただけることを願っています。
一般社団法人チャレンジドLIFE公式サイトより
「自閉スペクトラム症」の登場人物が出てくるドラマ
『グッド・ドクター』(韓国・アメリカ・日本)
『グッド・ドクター』の原作は韓国(2013年)です。2017年にアメリカで、日本では2018年にリメイクされている人気の作品です。
韓国版(原作)『グッド・ドクター』
自閉症であり、サヴァン症候群でもある青年、パク・シオン(チュウォン)が、障害に対する偏見を乗り越え、小児外科医を目指し成長していく姿を描いたストーリー
優秀でありながら、国家資格を取得できないシオン。その恩師で ソンウォン大学病院の院長であるウソクの働きかけで、臨時採用が決定します。
副教授ドハンの採用反対に遭うも、患者の状態を的確に指摘し、患者を救っていきます。
シオンを見守る先輩ユンソ(ムン・チェウォン)とシオンの関係にも注目です。
アメリカ版『グッド・ドクター 名医の条件』
自閉症・サヴァン症候群の青年ショーン(フレディ・ハイモア)(吹き替え版 声:岡本信彦)は、聖ボナベントゥラ病院の外科研修医として院長に招かれます。
院長の座を狙う外科部長マーカスなど、理事会メンバーや多くのドクターたちに勤務を反対されるなど逆境に遭いながらも、難病患者たちを次々と救い、院内で旋風を巻き起こしていきます。
仲間と共にドクターとして成長していく、このヒューマンメディカルドラマは、シーズン7をむかえ、アメリカで 2024年2月20日(現地時間)から放送予定です。
(アメリカABCで2013年に放送スタートした本作品は、シーズン7がファイナルとなります。)
日本版『グッド・ドクター』は、フジテレビで放送(2018年7月12日~9月13日)されました。
小児外科医の世界が舞台です。自閉症・サヴァン症候群を持つ青年・新堂湊(山崎賢人)が、研修医として小児外科の世界に飛び込み、偏見や反発に遭いながらも、子どもたちの命と心に向き合い成長していく姿を描いています。
ドラマの医療監修には、精神科医の西脇俊二先生が入っています。
原作があるものの、韓国・アメリカ・日本、それぞれで描かれ方が異なるので、見比べるも良し、違う作品として楽しむのも良し。
3作品のレビューも、自閉症の描かれ方・ストーリー・演技など 着眼点が様々なため「○○版が好き」は人それぞれでした。まだのかたは、ぜひ観てみてくださいね。
アメリカ版では、自閉症が主人公の個性のひとつとして描かれているなど、「自閉症」の描写は、アメリカ版が、当事者から見ても一番しっくりくる、という評価が多かったです。
さすがニューロダイバーシティ運動発祥の地です。
(※阿部 利彦さんは、星槎大学大学院教育実践研究科の先生です。専門分野は、特別支援教育、教育相談、学校カウンセリング)
『リエゾン―こどものこころ診療所―』
『リエゾン―こどものこころ診療所―』は、テレビ朝日系で2023年1月20日~3月10日まで放送されたドラマです。
原作は、竹村優作(原作)・ヨンチャン (原作・漫画)による漫画で、講談社「週刊モーニング」で連載中です。
児童精神科が舞台となっており、「発達障害」当事者でもある研修医(遠野志保)と児童精神科医(佐山卓)が、生きづらさを抱える親子に丁寧に向き合っていく物語です。
ドラマ化にあたっては、放課後等デイサービス「スタジオそら」さんが協力しています。
非常に親和性の高いお話しであったことから今回、ドラマ化に際して、スタジオそらにご協力依頼のお話しをいただきました。
放課後等デイサービス「スタジオそら」サイトより
関係スタッフによるスタジオそらの見学・簡単な取材が行われ、子どもたちの描く絵や施設の作り、実際の療育の様子など興味深く取材され、非常に熱心な姿勢で取り組まれていました。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(韓国)
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は、韓国ケーブルテレビENA(2022年6月29日~8月18日)とNetflixで放送されたドラマです。
自閉スペクトラム症を持つ新人弁護士 ウ・ヨンウ(パク・ウンビン)が、偏見に遭うなど、多くの困難にぶつかりながら、仲間と共に様々な事件を解決していく、ヒューマン法廷ドラマです。
ウ・ヨンウ弁護士が、多くの人との出会いを通じて成長していく姿、また、ヨンウの気付きから 難事件を解決していくところも痛快で、見どころです。
他には、『HANNIBAL/ハンニバル』(アメリカ)、『タッチ』(アメリカ)などなど、「自閉スペクトラム症」の人が登場する作品は、色々あります。
「自閉スペクトラム」のことを 知りたいあなたへ
臨床心理士で『ニューロダイバーシティの教科書』の著者でもある村中直人さんが「自閉文化を語る会」を主催されています。
放課後等デイサービスで発達支援をしているすぷりんとさんと共に、その名の通り、自閉スペクトラムとカテゴライズされる様々なテーマについて、「障害」ではなく「文化」の視点から語る会です。
公開されているスペースはどなたでも聴けますので、X(Twitter)内で ハッシュタグ「#自閉文化を語る会」で検索してみてください。
オープンなスペースで語るテーマも色々なので、当事者・支援者のかたも、自閉文化を理解したい・知りたいかたも、聴いてみてくださいね。理解がすごく深まるとともに、何より楽しいスペースです♪
今日から始まるドラマ『厨房のありす』も楽しみです!
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