【アカデミー賞】キリアン・マーフィー、ノーラン監督のスピーチまとめ

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ロサンゼルスで、2024年3月10日(現地時間)に開催されたアカデミー賞授賞式で、映画「オッペンハイマー」は、7部門(作品賞、主演男優賞、助演男優賞、監督賞、作曲賞、撮影賞、編集賞)で受賞しました。

オッペンハイマー役のキリアン・マーフィーさんは、最優秀男優賞を受賞。クリストファー・ノーラン監督は、監督賞を受賞しました。

キリアンさんの受賞スピーチ・ノーラン監督のスピーチをまとめています。

目次

キリアン・マーフィーの受賞スピーチ

「オッペンハイマー」は、「原爆の父」と呼ばれたひとりの物理学者の心の葛藤を描いています。

キリアン・マーフィーさんは、主役のオッペンハイマーを演じました。

クリストファー・ノーランのファンアカウントさんX

主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィーの受賞スピーチ(全文和訳)です。

【キリアン・マーフィー】
ちょっと圧倒されています。アカデミーに感謝します。
「リス・ノーランとエマ・トーマス、これは過去20年間で、あなた方が私を連れていってくれた 最もワイルドで、最も爽快で、最もクリエイティブで満足できる旅でした。
私はあなた方に、言葉では言い表せないほど感謝しています。どうもありがとう。

オッペンハイマーのスタッフの皆さん、キャストの皆さんが私を支えてくれました。
候補者の皆さん、私は皆さんに対して常に畏敬の念を抱いています。
本当に私の素晴らしいチームに感謝したいと思います。

ブレンダン・マーフィー、メアリー・マーフィー、そこに座っている私の2人の男の子へ。私はあなたたちをとても愛しています。
そして私は、今夜ここに立っていることをとても誇りに思っているアイルランド人です。

ご存知の通り、私たちは映画を作りました、原爆を作った男についての映画です。
良くも悪くも私たちは皆、オッペンハイマーの世界に生きています。
この映画をpeace makers everywhere / 世界中の和平を構築する人々へ、捧げたいと思います。


(参考:ABC News公式YouTube より)

会場からは大きな拍手が巻き起こりました。続々と立ち上がって拍手の嵐です。

「peace makers everywhere」。
ここのフレーズを、「世界中の和平を構築する人々に」と訳すメディアもあれば、
世界中で平和のために活動している人たちに」、「世界中で平和を維持してくれている人々に」と訳すメディアもありましたが、

「和平を構築する人々に」「世界中の平和構築者たち」が、キリアンのニュアンスに近いと思います。

everywhere」とは、「すべての場所に / あらゆるところに」。

世界中で既に活動している「平和主義者」「平和活動家」ではなく、
どこにでも平和をもたらす人、つまり、私たち地球の市民ひとりひとりが、平和を構築するのだという意味が込められていると思いました!

キリアン・マーフィー 受賞の瞬間~受賞スピーチの全映像

ABC News公式YouTubeより

クリストファー・ノーラン監督も核問題に言及

「核に触れたのはキリアンだけだった」というポストも目にしましたが、受賞スピーチではなく、プレスルーム会見で、ノーラン監督もちゃんと核問題に言及しています。

【ノーラン監督】
初めてこのプロジェクトに関わったとき、とても印象的でした。
10代の息子のひとりに、私が取り組んでいることを話したら、彼は『若者は核兵器についてそれほど心配していないよ』と言ったのです。
核兵器は、彼らの恐怖の最前線にあるわけではないのです。
この映画は、それをある程度、解決できるように思えました。

より広範なメッセージに関して言えば、私が指摘したいのは、この映画は劇的に必要な絶望の瞬間だと私が考えるところで終わっているということです。

現実には、絶望が核問題に対する答えだとは思いません。
1945年以来、個人個人が行ってきた作業や準備のすべてを見れば、1967年以来、地球上の核兵器の数はほぼ90%減少しています。

しかし、ここ数年、核兵器は間違った方向に進んでいる。
現実に絶望するのではなく、人々が政治家や指導者に圧力をかけ、地球上の核兵器を減らし、安全にするために活動している団体を支援するアドボカシーに目を向けることが非常に重要なのです。


映画が醸し出すメッセージについてあまり具体的に話すのは好きではありません。

なぜなら、映画が教訓的であると、劇的な効果はあまり得られない傾向にあると感じるからです。

(参考:Entertainment WEEKLY 2024.3.11 より)

ノーラン監督は、観客にメッセージを送るために意図的に映画を作るのではなく、観客がストーリーから感じ取ってほしいと願っていました。

ノーラン監督は、作品賞を受賞することで、核戦争の危険性に対する意識を高めたいと考えていたそうです。

昨年の映画公開以来、世界中で想像を上回る反響があり、特に若い人たちがこの映画を観に来てくれていたといいます。(Variety公式YouTube 2024.3.11 より)

【記者】この物語には非常に多くの歴史があるのですが、何を残すか、何を省くかをどのように決めましたか?またそのいくつかは何でしたか?

【ノーラン監督】
現実的に伝えるべき何かに落ち着くために、「American Prometheus」を読んだときの、最初の感情的な反応に導かれようとしました。
それは、「何を残すか」のガイドとなってくれました。

特定の、何かひとつを指すつもりはありませんでした。
全ての登場人物に肉付けできた側面がありました。
多くの人々が登場し、彼らの人生について丸ごと映画をつくることができるほど、この映画には、非常に多くの登場人物がいたのです。

絶え間ない闘いでしたが、とてもとても興味深いものでした。
ありがとうございました。

Variety公式YouTube 2024.3.11 より)

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