「関心領域」ジョナサン・グレイザーの受賞スピーチへの賛同と反発、その理由は?【スピーチ全文あり】

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2024年3月、映画「関心領域」がアカデミー賞で、国際長編映画賞、音響賞を受賞しました。

ところが、脚本・監督をつとめたジョナサン・グレイザーの受賞スピーチに対して賛同の声が寄せられる一方、一部から反発の声があがっています。

  • ジョナサン・グレイザー監督のスピーチに対して、賛同と反発
  • 反発があがったのは何故か
  • グレイザー監督がスピーチに込めた真意とは
  • スピーチに対しての、MSNBC司会・脚本家・プロデューサーの声
  • 世間の声

についてお伝えしていきます。

目次

映画「The Zone Of Interest / 関心領域」について

先ず、受賞した映画「The Zone Of Interest / 関心領域」が、どんな映画だったのか、ご紹介しておきます。
映画の内容は、グレイザー監督の受賞スピーチに関連しています。

すでに映画についてご存知のかたは、目次から、次へ飛んでください。<(_ _)>

この映画は、アウシュヴィッツ強制収容所と、その隣にある屋敷に住む「収容所の所長と家族」に焦点を当てています。

映画の主人公である アウシュヴィッツ強制収容所所長「Rudolf Höss(ルドルフ・ヘス)」は、実在の人物です。
ヘス家(ルドルフ、妻ヘドヴィヒ、その5人の子供たち)は、敷地の境界線のすぐ外側に建っている屋敷で約4年間暮らしていました。

ヘス所長は1940~1943年にアウシュヴィッツを運営していましたが、その間に、推定110万人にのぼる人々が殺害されており、うち約100万人はユダヤ人でした。

グレイザー監督は、アウシュビッツ強制収容所の中で起こっている恐ろしい光景を「見せずに」、音響を聞かせる手法で表現しました。

悲鳴や銃声が聞こえても、間近な家で、そのことに「無関心」で過ごせるという冷徹さ。
家庭に帰れば、子供たちをプールサイドのピクニックに連れ出し、就寝時の読み聞かせをする、「優しいお父さん」が、一方では、大勢の人が犠牲になった収容所の所長であるという事実。
収容所では、多くの子どもたちが命を奪われています。

恐ろしいことが起きている収容所の隣で「平和な」生活を送っている一家の生活を描くことで、このような恐ろしい「人間性の喪失」が普遍的なものであることを うったえかけています。

【映画「The Zone Of Interest / 関心領域」】

原作:Martin Amis(マーティン・エイミス)の小説「The Zone Of Interest 」

脚本・監督:ジョナサン・グレイザー

言語:ドイツ語、ポーランド語、イディッシュ語

アメリカ・イギリス・ポーランドの共同製作の歴史ドラマ映画

公開:フランス、アメリカ(2023年)、イギリス・ポーランド(2024年)

日本では2024年5月24日に公開予定です(映画「関心領域」オフィシャルサイト)。

主演は、ルドルフ・ヘス役をつとめるクリスティアン・フリーデル。
妻のヘートヴィヒを、ザンドラ・ヒュラーが演じます。

「The Zone Of Interest / 関心領域」という言葉は、
実際に、第二次世界大戦中、ナチスがアウシュヴィッツ強制収容所の周辺地域を表現するために使っていた特徴的な用語です。

原作の、マーティン・エイミスさんの小説は、これと同じ「関心領域」というタイトルです。

この「 関心領域」は、実際に使われていた言葉でもあり
そしてもうひとつ、人間社会が「関心」がある「領域」以外のことに無関心であることの恐ろしさを指摘する小説と映画のタイトルになっている、ということです。

『関心領域』公式Xより

映画「The Zone Of Interest / 関心領域」の製作には、実に10年を費やしたといいます。

グレイザー監督は、アウシュヴィッツ博物館や関係者と協力しながら、2年間にわたって 生存者やヘス家で働いていた人々の証言を丁寧に調べたうえで、詳細な描写を構築していきました。

主演を務めるクリスティアン・フリーデル、ザンドラ・ヒュラーは、共にドイツの俳優です。
「アウシュビッツの地で」撮影され、「自分たちの祖父母だったかもしれない人々を描く」この映画で主役を引き受けることは、大きな決断だったといいます。

グレイザー監督は、「 私にとって、これは過去についての映画ではありません 」といいます。

多くの作品は、被害者側を描いていますが、映画「関心領域」は、加害者側に焦点を当てており、「私たちと被害者の類似性」ではなく、「私たちと加害者の類似性」を描いています。(参考:The Guardian 2023.12.10

グレイザー監督は、Guardian誌のインタビューで、このように話しています。

「この作品を書くためには、(イデオロギーを)ある程度理解する必要がありますが、
その根底にある根源的なもの、つまり、私たちの中にあるすべての原動力、私たち誰もが持っている暴力の能力というものを 掘り下げた映画を作りたい、と強く思っていました。」

The Guardian 2023.12.10

彼は、それはナチスのイデオロギーというよりも、人類の誰もが持つ根源的なものであると述べています。

「ホロコーストを実行した人たちが、特別に悪い人たち」ということではなく、誰にでも起こりうる「人間性の喪失」なのだと。

そして、人間の間で語り継がれ、加害を生み出さないために考え、対話し続けていくべきだと言います。

グレイザー「このテーマには絶対に取り組むべきだと思いますが、しかし、本質的な問題は、それをやるべきかどうかではなく、どのようにやるべきか、ということです。

個人的には、この物語は語り継がれ、語り直される必要があると思います。
生存者の数が減り、生きた記憶から歴史になっていく中で、何世代にもわたって語り直すための新しいパラダイムを見つけなければなりません。」

The Guardian 2023.12.10

それは、次に紹介するグレイザー監督のスピーチにも繋がっていきます!

ジョナサン・グレイザー監督のスピーチ全文

この映画「The Zone Of Interest / 関心領域」は、アカデミー賞で、国際長編映画賞、音響賞を受賞しました。

グレイザー監督の受賞スピーチ(実際の映像です)

The Hollywood Reporter公式Xより

以下に、グレイザーさんスピーチの全文を掲載します。

Thank you so much. I’m gonna read. Thank you to the Academy for this honor and to our partners A24, Film4, Access, and Polish Film Institute; to the Auschwitz-Birkenau State Museum for their trust and guidance; to my producers, actors, collaborators.

All our choices were made to reflect and confront us in the present — not to say, “Look what they did then,” rather, “Look what we do now.” Our film shows where dehumanization leads, at its worst. It shaped all of our past and present. Right now we stand here as men who refute their Jewishness and the Holocaust being hijacked by an occupation, which has led to conflict for so many innocent people.

Whether the victims of October the — [Applause.] Whether the victims of October the 7th in Israel or the ongoing attack on Gaza, all the victims of this dehumanization, how do we resist? [Applause.]

Aleksandra Bystroń-Kołodziejczyk, the girl who glows in the film, as she did in life, chose to. I dedicate this to her memory and her resistance. Thank you.

ジョナサン・グレイザーさんスピーチより

和訳します。

本当にありがとう。
読み上げます この栄誉を与えてくれたアカデミー、パートナーのA24、Film4、Access、ポーランド映画協会、信頼と指導をしてくれたアウシュヴィッツ・ビルケナウ州立博物館、プロデューサー、俳優、協力者に感謝します。

私たちのすべての選択は、現在の私たちを映し出し、私たちと向き合うためになされています。
「当時彼らがしたことを見てくれ」というものではなく、「今、私たちが何をするかを見てください」と言うためです。

私たちの映画は、「人間性の喪失」が最悪の事態を招くことを示しています。それは私たちの過去と現在のすべてを形作ってきました。

今、ユダヤ人としての私たちの存在と、ホロコーストが、あまりに多くの罪のない人々を巻き込む紛争につながった占領によって、乗っ取られてしまっている。このことに反対する者としてここに立っています。

10月の犠牲者であれ — [拍手] イスラエルの10月7日の犠牲者であれ、現在進行中のガザ攻撃の犠牲者であれ、この「人間性の喪失」によって犠牲となった全ての方々ー私たちは(この「人間性の喪失」に)どのように抵抗すればよいのでしょうか。 [拍手]

映画の中でも輝いている少女、アレクサンドラ・ビストロニ=コウォジェチクは、彼女の人生で そうであったように、自ら選びました。
私はこの賞を、彼女の記憶と彼女の抵抗に捧げます。 ありがとう。

ジョナサン・グレイザーさんスピーチ全文 和訳)

グレイザー監督は、ロンドン出身のユダヤ人です。

スピーチで、「この賞を彼女に捧げる」とグレイザーさんが紹介したアレクサンドラは、映画の制作中に出会った90歳の女性です。
わずか12歳のときにポーランドのレジスタンスとして活動していた彼女は、飢えた囚人が見つけられる場所にリンゴを置くため、自転車で収容所に行っていました。

その時のエピソードも、映画に登場します。
撮影に使ったのも、彼女の自転車、俳優が着ているドレスも実際の彼女のものです。

この映画が描く「人間性の喪失」は例えるなら 真っ暗闇。どこかに光はないかと探していたグレイザー監督は、彼女の中に、その「光」を見つけたと言います。

アレクサンドラさんは、グレイザーさんたちと話した数週間後に、息を引き取られました。

誰もがおちいる可能性がある「人間性の喪失」。
しかし同時に「人間の善」という希望を見つけることができた。
それがアレクサンドラさんだったんですね!

会場では、グレイザー監督が「Whether the victims of October the (10月の犠牲者であれ)」と言いかけたところで大きな拍手が起こり、監督は いったん拍手が終わるまで待ち、それから、全ての人間性喪失の犠牲となった人たちに対して私たちはどう向き合うのかを問いかけ、ここでまた、大きな拍手が起こりました。

グレイザー監督のスピーチをめぐって

一部の「ユダヤ系」製作陣から「反発」の声が上がる

グレイザーさんが、スピーチ内でガザ攻撃について言及したことに対して、ハリウッドの一部「ユダヤ系」製作陣が反発していました。

アメリカの映画プロデューサーであり、ユダヤ人家庭で育ったGary Gilbert(ゲイリー・ギルバート)は、

ゲイリー・ギルバート「特定の人種を絶滅させようとしたナチスと、絶滅の危機を回避しようとするイスラエルを道徳的に混同して、〝ユダヤ人であることが乗っ取られた〟としたことに反論する」

東スポWEB 2024.3.19

と反発しました。

要は、アウシュビッツ収容所のユダヤ人の犠牲者と、ガザ攻撃によるパレスチナ人の犠牲者とを、一緒にするなとの主張です。

何故、反発が起きているのか?

の反発の理由は、
1. グレイザー監督のスピーチの真意を理解していないから

2. グレイザー監督のスピーチの意味は解っているが、その考え方を否定しているから

の2つが考えられます。

理由1. グレイザー監督のスピーチの真意を理解していないから

グレイザーさんのスピーチは、「10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃」も、「イスラエルによるガザのパレスチナの人々に対する攻撃」も、映画のテーマでもある「人間性の喪失」による犠牲だよね、私たちは、これ以上犠牲を生まないために、どうすべきなのだろう?という問いかけだったわけです。

映画が描いているのも、人間性の喪失は誰にでも起こりうる、ということでした。

しかし、映画の舞台が「アウシュビッツ」だったために、「ナチス政権の人々、残酷なのだ。(だが私たちは、違う。)」と、いう方向に感情が動いた人がいたのだと思います。

これが、グレイザーさんのスピーチの真意を誤解・曲解する、という事態になりました。

理由2. グレイザー監督のスピーチの意味は解っているが、その考え方を否定する考え

2つめは「〝人間性の喪失″というものは、誰にでも起こりうる問題だ」という考えそのものを否定している考え方があるためです。

「ナチスが行なったのは〝迫害・虐殺だが″、ガザ攻撃は〝迫害に遭ってきたユダヤ人の″〝ハマスとの戦争である″だから、違うのだ」という考え方です。

しかし、パレスチナ人が長い間 迫害を受けてきた歴史もまた事実で、その迫害のうえに、さらに現在、ガザで起きている恐ろしいことは、「人間性の喪失」にほかならない、とグレイザーさんはうったえているのです。

ユダヤ人が迫害を受けてきた歴史、そして、かつては ガザ地区に壁はなく、双方の人々の間に交流があったこと、その後、パレスチナ人が迫害を受けてきた歴史、を私たちは、学ぶ必要がありますよね。

その後「ユダヤ人のハリウッド専門家からの声明」と題された公開書簡が、アカデミー賞授賞式の数日後、3月13日に広まり始めました。

その書簡には、

「我々は、ある民族を絶滅させようとしたナチス政権と、自らの絶滅を回避しようとするイスラエル国家との間に道徳的な同等性を引き出そうとする目的のために、我々がユダヤ人であることが乗っ取られていることに反論する。」

Entertainment Weekly 2024.3.20 より(※和訳は筆者)

と、グレイザーさんのスピーチの「being hijacked(乗っ取られる)」という表現を揶揄して、反発しています。

「イスラエルは民間人を標的にしていない。ハマスを標的にしている。」とも。

しかし、多くのパレスチナ民間人が犠牲になっていることは事実ですよね…

グレイザーさんのスピーチの意図について

グレイザーさんのスピーチも、そして映画「関心領域」も、特定の民族の善悪を問うているのではなく、イデオロギーの議論をしているのではなく、普遍的な「人間性の喪失」についてであり、
アウシュビッツで起きたことも、今、ガザで起きていることも、どちらも「人間性の喪失」が招いた最悪の事態である、ということ。それに向き合おう、という実にシンプルなことです。

「○○イズム」、「反○○イズム」という対立軸に落とし込んでしまうと、それを見誤ってしまうんですよね。

そう思います。
現に、多くの「ユダヤ系」の人々が、停戦を求めて声を上げています。

脚本家のトニー・クシュナーさんも、停戦の呼びかけは反ユダヤ主義だ、という非難に対して、そうではない、と否定しています。

ネタニヤフ首相の政策と パレスチナ人に対する扱いを 長年批判してきたのは、「イスラエル人が平和で安全に暮らせること」を望んでいるからこそ。

多くのイスラエル人が何十年も言い続けているように、パレスチナ人の扱い、ヨルダン川西岸の占領やガザ地区の人々の投獄、 検問所や壁、こういったものすべてが実際にはイスラエルを安全にするわけではないのです。」と話します。(参考:The Hollywood reporter 2024.3.20

クリス・ヘイズ、すぐに 誤解を解こうと動く

MSNBC(アメリカのニュース専門放送局)の司会者Chris Hayesクリス・ヘイズ)は、アカデミー賞授賞式当日の3月11日、グレイザーのスピーチを曲解・批判している人々に対し、誤解を解こうと、すぐにXにて説明しています。

グレイザー氏のスピーチについて、複数の人がこのように言っているのを目にしましたが、それは明らかに間違っています。

これが引用です。 「今、ユダヤ人としての私たちの存在と、ホロコーストが、あまりに多くの罪のない人々を巻き込む紛争につながった占領によって、乗っ取られてしまっている。このことに反対する者としてここに立っています。」

Chris Hayes official Xより

重ねて、こう言っています。

少しぎこちない表現だったが、彼は明らかにユダヤ人としての性質が乗っ取られていることに反論していると述べている。彼のユダヤ人性を否定するものではありません。

Chris Hayes official Xより
Chris Hayes official Xより
Chris Hayes official Xより

トニー・クシュナー「グレイザーに同意しない人がいるだろうか?」

脚本家のTony Kushner(トニー・クシュナー)も、「本当にある種、非の打ちどころのない、反論の余地のない発言だ」と、グレイザーのスピーチを支持します。

グレイザーのコメントに同意するかを問われると、クシュナーは「もちろん、そうじゃない人がいるだろうか?」と答えています。

クシュナーさんは、グレイザーさんのスピーチの意図を、こう代弁します。

「(グレイザー氏が)言っていることはとても単純だ。
彼は、ユダヤ人であること、ユダヤ人のアイデンティティ、ユダヤ人の歴史、ホロコーストの歴史、ユダヤ人の苦しみの歴史を、他の人々を非人間化したり虐殺したりするプロジェクトの言い訳として使用してはならない、と言っています。」

(参考:The Hollywood reporter 2024.3.20

ハリウッドで起きていること

アメリカのエンターテインメント界などでは、今、ガザへの攻撃を批判したりすると、降板になったりする雰囲気があるといいます。

しかし、それに異を唱える人も多く、アカデミー賞授賞式当日も、会場近くで、パレスチナに連帯するデモもありました。

会場でも、ガザへの停戦を訴えるピンバッジや、パレスチナの旗をモチーフとしたバッジをつけて参加する俳優さんたちもいて、連帯の輪は広がってきています。

グレイザーさんのスピーチにも、大きな拍手が起こっていました。

世間の声は

Yonah LiebermanさんXより

「ジョナサン・グレイザーの勇気ある言葉をねじ曲げて、あたかも彼がユダヤ人としてのアイデンティティを否定しているかのように言い立てる人々を見ていると、まったく気分が悪い。それは正反対だ。
彼は、自分のユダヤ人としてのアイデンティティが、イスラエルの占領とガザへの攻撃に反対を表明せざるを得ないことを明らかにするために、自分のプラットフォームを利用したのだ。」

Yonah LiebermanさんXより

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英国アカデミー賞では、ジェームズ・ウィルソンさんがスピーチでガザに言及

映画「関心領域」は、2024年2月の英国アカデミー賞(BAFTA)でも、非英語作品賞を受賞しています。

その時は、プロデューサーのジェームズ・ウィルソンさんが受賞スピーチで
「私たちの中にある〝向こう側を見ないようにする″壁、それはホロコースト以前、最中、以後にも存在している。マリウポリやイスラエルで殺される無実の人々について考えるのと同じように、ガザやイエメンで殺される無実の人々についても気を配るべきだということを、この映画は伝えている」という、映画を観た友人からの手紙を紹介しています。

BAFTA公式YouTubeより

ユダヤ人作家プリモ・レーヴィの言葉「怪物より危険なのは一般人」

ユダヤ系イタリア人としてアウシュヴィッツに送られ、奇跡的に生還した作家プリーモ・レーヴィは、「怪物は存在する。しかし、もっと危険なのは一般人であり、何の疑問も持たずに信じて行動しようとする役人である」と言っていました。(参考:The Guardian 2023.12.10

生還者からの言葉、語り継いでいきたいです。まさに、映画「関心領域」のテーマそのものでもありました。

映画「関心領域」を観た人の感想

ここからは、グレイザーさんのスピーチにも関連する、映画を実際に観た人の感想をご紹介したいと思います。

日本での公開は、2024年5月24日からですが、別の国や試写会で観た人からの感想です。)

語り継がれるべき新しいホロコースト映画の誕生を感じた

https://twitter.com/Avasaks123/status/1771934705929056763

どこに書いたらいいのかわからないけど、「The Zone Of Interest / 関心領域」を観たかな?

とても重要な映画なのに、シオニストはそれが文字通り自分たちに関する映画だと気づいているから、都合よく要点を見逃しているんだ。

私たちも、「シオニズム」が生まれた背景、「インティファーダ」(パレスチナ住民の抵抗運動)が生まれた背景、それぞれ学んでおく必要がありますよね。

ホラーより恐ろしい映画だった

この恐ろしさを、やはり忘れてはいけないですね…

戦争映画のセオリーを無視した表現が見事にはまっていて、ジョナサン・グレイザーの手腕に感動する。

作品のテーマについて、私たちは試されてる…

グレイザー監督が「これは過去の話ではなく、今の話だ」とおっしゃっていたとおり、
パレスチナのことも、ウクライナのことも、南北コリアの分断、韓国の若者たちが兵役に行かなければならないことも…全部、根底ではつながっていることですよね。

「今起きていること」から目をそらさず、今出来ることを考えていかなければ…と
グレイザーさんのスピーチから、あらためて大切なことを教えられた気がします。

ジョナサン・グレイザー監督プロフィール

A24公式Xより

Jonathan Glazer / ジョナサン・グレイザー

生年月日:1965年3月26日

出身:イギリス / ロンドン出身のユダヤ人

職業:映画監督、CMディレクター、ミュージックビデオディレクター

映画作品:
「Sexy Beast / セクシー・ビースト」(2000年制作)ジョナサン・グレイザーのデビュー作 / 劇場未公開・ビデオ発売

「Birth / 記憶の棘」(2004年公開)ニコール・キッドマン主演

「Under the Skin / アンダー・ザ・スキン 種の捕食」(2014年公開)スカーレット・ヨハンソンが妖艶なエイリアン役を演じる

「The Zone Of Interest / 関心領域」(2024年5月24日公開予定)

ジョナサン・グレイザーは、数多くのミュージックビデオ、CMも作成しています。

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