川勝静岡県知事の訓示、差別発言ではなかった? 3つの理由【ノーカット動画あり】

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川勝 平太(かわかつ へいた)静岡県知事が行なった、県庁の新規採用者さんへの訓示の中で「職業差別発言」があったとして、知事が辞任することを表明しました。

ニュースではスピーチの一部を観たけれど…その前後には何を話したの?

一部「切り取られて」取り上げられていたともいわれています。
そこで実際に、訓示全体の内容を見ていきたいと思います。

この記事でお伝えすること
  • 訓示で何を言っていたのか(映像あり)
  • 会見では何を話したのか(映像あり)
  • 川勝知事の発言の意図は?
  • 差別発言では無かったと考えられる3つの理由
  • 静岡県民の声は?
目次

川勝知事の訓示の内容は?

では、川勝知事は、本当に差別発言をしていたのでしょうか?

実際に、訓示を全て視聴してみましたので、「切り取らずに」全体を見ていきたいと思います。

冒頭は、川勝知事の

静岡県庁職員5800人くらいいるんですけれども、県庁の職員すべてを代表致しまして心からご歓迎を申し上げたいと思います。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

という、お祝いのメッセージから始まります。

川勝知事は、終始、新規採用者さんたちへ顔を向けて、全体を見渡しながら、にこやかに語りかけるように訓示しています。

こういう形で皆様方、同期になられた数は233名であります。
そして今日、この本庁に配属になった方たちが77名いらっしゃる。
残りの156名の方たちは、きょう1日からそれぞれの出先機関で辞令を受けるなり、そして、いま研修を受けられているという風に承知しておりますが、ともあれ、本当は全員にお顔を見せていただき、お話しをしたかったんですけれど、70何名の方だけとはいえ、こうした形でお目にかかれて、大変嬉しゅうございます。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

知事が「原稿を読む」という場面は無かったです。
スピーチの内容が、全部、頭に入っているのは、すごい!

静岡県が防災に力を入れていることは有名ですが、訓示でも、能登半島地震に触れ、毎年行ってきた防災訓練の歴史や、職員として、落ち着いて 何をすべきか、という心得について話します。

これが、まず静岡県の、県庁としてですね、360万人の人たちの生命と財産を預かっておりますので、これを守るという危機管理をしっかりみんなの中に叩き込んでですね、仕事してください。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

それから、コンプライアンスのこと、
上にへつらわない・下に威張らないことが大切ということ、
上司になっても、部下に対して敬語で話すのが大切、と、話します。

筆者も、これは職場で実践していたので、めちゃくちゃ共感します!

静岡県庁にいらっしゃる県民の方々に対しては、「前例がないから出来ない」ではなく、どうしたらこれを解決できるか、どうしたら力になれるか、一緒に考えてください、とも。

県民は心強いですね!

筆者も、町の対応が不適切で、困って県に相談した時、県のかたが 力になってくださったことを思い出しました。(静岡ではありません)

県に助けを求めて来る人がいたら、こうしましょう、ということも述べています。

その時に、どういう風にすると一番いいかなということを、仮にその決定権を持っていなくても、考えるということが大切ですね。
もし可能なら、その担当局の方に紹介して差し上げるということも、それを出来る勇気を持っていたら大したもんです。
人の艱難はこれを見捨てないということですね。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

そして、たとえ相手になかなか理解されない時でも、ハートtoハートで対話し、情理を尽くして、信念を貫いてください、と話します。

問題になったのは、その後のスピーチです。

そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。
実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。
毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。
ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方はいろいろあります。

知性を磨くということ。それからですね、やっぱり感性を豊かにしなくちゃいけない。
それから体がしっかりしてないといけませんね。
ですから文武芸、三道並立と。文武両道というのは良く聞くでしょう。
しかしですね、美しい絵を見たり、良い音楽を聞いたり、映画を見たり、演劇を見たりした時にですね、感動する心というものがあると望ましい。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

ここですね。

確かに、「ということと違って」の後に「頭脳・知性の高い方」の言葉が繋がってしまっていますね…

このまま、この後のスピーチも、見ていきますね。

続けて知事は、
「この人に及ばない、と思っても、知性を大切に」と話します。

そのために、勉強しましょう、体をきたえましょう、
でも、スポーツが苦手な人は、見て楽しむことができるし、芸術を愛でても良いし、そうすると豊かな人間になれます、と。
情けは人のためならず、人を助けることは自分のためになります、と続きます。

私の知事室の扉は開けっ放しですので、いつでも入れるようにしてありますし、皆さんへの助力は惜しみません、と、新人さんたちに語りかけました。

その後、知事は、静岡の魅力を、具体的な数字を挙げ、分かりやすく説明していました。

移住希望地、日本一が4年連続であること、2020年からの移住者数の推移、2023年に東アジア文化都市の日本代表になったこと、などなど…

静岡、行ってみたくなりました!

その後、このように続きます。

それから、これからパリ五輪が開かれますけれども、富士山が世界遺産になったのが11年前の6月でした。

それからですね、お茶畑が世界農業遺産になったり、ワサビが世界農業遺産になったり、とうとう世界クラスの地域資源と人材、五輪で金・銀・銅メダルを獲るとか、天野先生のようにノーベル賞を獲られるとか、そういう世界クラスの地域資源と人材群がいま150件を超えております。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

ここでは、お茶、ワサビの農産物を挙げて、世界クラスの地域資源・人材、というふうに位置付けていましたね。

また、「人が人を殺めるという本当に悲惨なことが起こっています」と、ウクライナとガザのことに触れました。

そしてSDGsの理想形は、安全な日本、とりわけ静岡だと思う、と述べています。

SDGsに関しては、日本はまだまだ、ジェンダー平等も、多様な教育も、様々な項目に関して遅れているので、まだまだ、ですが…

それでも、知事の「静岡推し」の熱い気持ちは伝わってきました!

その後も、フラワーパーク、ガーデンパークの見どころ、「のたね食堂」の紹介など。

モノづくりの職工さんの町であり、花の都であり、食の都でもある、と、知事の熱弁が続きます。

「食材が439あります。」と美味しい食べ物がたくさんあることも、アピールしていました。

そういう自然豊かなところでありますので、そこで文武芸三道並立して、明るく、富士山に向かって「ここで仕事をした」と言えるような、そういうこれからの公務としてのすばらしい人生、充実した人生を送ってくださるようにお祈り申し上げます。

改めて、皆様方をお迎えできたことを大変光栄に思っております。以上です。

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

と、締めくくりました。

気になる方は、実際に映像がありますので、ノーカットでご覧ください。

令和6年度静岡県新規採用職員向け知事訓示(ノーカット)

ふじのくにメディアチャンネル(静岡県庁公式)

川勝知事が自身の発言について会見

川勝知事は、発言について会見を行い「もし不愉快な思いをされた方がいるとすれば、誠に申し訳ないと思っております」とお詫びしています。

その上で、発言については、職業差別の意図はないと、はっきり否定していました。

川勝知事の発言の意図は?

川勝知事は、発言の意図について

野菜に関わる仕事をしている人たち、酪農の仕事をしている人たち、県庁の職員たち、それぞれが役割がある。職種が違う。

という意味で話していた、と説明しています。

さて、ここまで知事のスピーチを解説してきましたが、
全体を通して見てみますと、

それは、本当かも!

と推察されます。

発言した文章については、確かに不適切です。それは間違いないと思います。
ただ、意図については、知事の思いの通りなのではないか、ということです。

職業差別ではなかったのでは?その理由 3つ

理由①

知事のスピーチの中には、農産物が、度々出てきていましたよね。

お茶畑とワサビを「世界クラスの地域資源と人材」とも言っています。

また、お花、食について、詳しく説明する中で、その職にたずさわる人々へのリスペクトも感じられます。

理由②

知事はこの日、原稿を使わずに、終始、自分の言葉で訓示していました。そのため、差別する意図は無かったものの、とんでもない所を端折ってしまったことが考えられます。

理由③

県民の方々のために、「前例がないから出来ない」ではなく、どうしたらこれを解決できるかを、一緒に考えるのが、県職員の仕事だ、と言及していました。

我々は、県民のために考える、仕組みを作るのが仕事だよ、と伝えるために、力み過ぎたのかもしれません。

言いたかったのは、これかも!(意訳)

よって、知事が言いたかったのは、こういうことかもしれません。(意訳しました。)

実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。

毎日、毎日、野菜を売る方々、あるいは牛の世話をする方々、あるいはモノ作りをする方々がいらっしゃいます。

そして、皆様は県職員、シンクタンクです。そういったお仕事の方々とはまた違った役割があり、そういった県民の皆様のために、仕組みを考えるのが仕事です。

皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方はいろいろあります。

いづれにせよ、たとえ そのつもりではなかったり、間違いだとしても、傷ついた方々には、真摯に対応していくほかありません。

以下は、川勝知事の会見(ノーカット)です。川勝知事は、辞職表明をしています。

川勝知事の会見(ノーカット)

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【追記】川勝知事は発言を撤回、謝罪しました

4月5日、川勝知事は、職業差別と捉えられる部分について、「この発言を削除して撤回いたします。」とし、「不愉快な思いをさせたことに対しましては、誠に申し訳なく思っておりまして、心からお詫びを申し上げます。」と謝罪しました。

県民の声は?

街の県民の声です。

任期が結構長いんですよね。それは静岡県民が信頼してきたということなので…
辞任をされたのが、差別発言の件だったというので、それで辞めてしまうのは、少しもったいないんじゃないかなって

リニアのことでは、正しいこと言っていたなと思っていたんですけど、いざ 酷いことを言っているのを見ると、応援しようという気持ちがなくなるのかなっていう…

(参考:「ニュース23」 2024.4.2より)

「ニュース23」キャスターは、

不適切発言は不適切発言、リニアはリニア(と分けて考えることが大切)。

「そこだけ切り取り」は良くないが、発言は「不適切発言」

との見解でした。

まとめ

筆者も、差別の意図は無くても、間違えてしまったのだとしても、言葉としては「不適切発言」だと思います。

しかし知事の、「原稿無し」自分の言葉で贈ったスピーチを通して見て、知事本人が、静岡県の食や モノづくりに対して、熱い想いやリスペクトを持っていることが解りました。
県民のために、どうしたら力になれるか考えよう、と熱弁しているところからも、差別は感じられませんでした。

川勝知事は、辞意を表明しています。
問題発言で揉め、県政が進まないくらいなら、後任の方に任せようということかもしれません。
しかし、この件では、知事が訓示で言っていたように、真摯に、ハートtoハートで対話していきながら、これからも静岡県民のために、業務を続けていただきたいと思います。

【追記】川勝知事が退職届を提出

4月10日、川勝知事は県議会の中沢議長に退職届を提出しました。

残念ですが、少し身体を休めて、これからも別の場で 何かしらの活躍が見られるといいと思います。

来月行われる知事選は、5月9日告示、26日投開票となる見込みです。

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