2024年12月6日に、中山美穂さんが急逝されたというニュースが飛び込んできました。
突然のことで、多くの方が悲しみの中にいると思います。
しかし中山美穂さんが亡くなられた原因について、「ヒートショック」による心筋梗塞ではないか、と憶測が伝えられている一方で、「数日前につらい心情をつづっていた」等、誤解を招くようなネットニュースがたくさん出ています。
そんなメディアの一部憶測が広がっていますので、中山美穂さんがつづっていたことについて書いておきたいと思います。
一部メディアの報道について
憶測を読んでいたのは、中山さんのインスタグラム投稿です。
その投稿について、複数の大手マスメディアが「つらい心情をつづっていた」 「私は地獄に行って戻ってきましたという写真も添えて投稿していた」という内容の記事を書きました。
まるで、中山さんが心に問題を抱えていたように受け止められかねません。
中山美穂さんのインスタへの投稿
中山美穂さんのインスタグラムの投稿はこちらです。
2024年12月5日にUPされています。
先日行ったルイーズ ブルジョワ展
写真下手すみません2、3日心がえぐられて、一緒に行った友としか会話が出来なかった。
写真下手だけど、上手くてもなんにも表現できない(引用元:中山美穂さんInstagram)
中山さんのインスタコメントについて
中山さんは、「ルイーズ ブルジョワ展」で作品が素晴らしかった、心がえぐられるぐらいの衝撃だった、ということを伝えていたのだと思います。
写真では伝わらないけれど、とも。
「I HAVE BEEN TO HELL AND BACK. AND LET ME TELL YOU,IT WAS WONDERFUL」について
中山美穂さん写真におさめたのは、「I HAVE BEEN TO HELL AND BACK. AND LET ME TELL YOU,IT WAS WONDERFUL」という文字入りの刺繡です。
日本語で、「地獄から帰ってきたところ。 言っとくけど、素晴らしかったわ」というフレーズ。
この、刺繡で言葉を綴ったハンカチは、ルイーズブルジョワの晩年の作品(1996年)のひとつで、ルイーズブルジョワ展の副題にもなっており、作品展の要でもあります。
ルイーズの多くの芸術作品は、彼女が体験したこと、そして自身の生き方にインスピレーションを受けており、恐怖だけではなく希望と対比させるなど、むしろ「逆境」と「生きる」を感じさせます。
ですから、この写真ひとつで、勝手に憶測するというのは、中山さんにもルイーズにも失礼というものですよね。
森美術館ホームページでも、この言葉について、こう解説しています。
この言葉は、ブルジョワの感情のゆらぎや両義性を暗示しつつ、ブラックユーモアのセンスをも感じさせます。
自らを逆境を生き抜いた「サバイバー」だと考えていたルイーズ・ブルジョワ。
生きることへの強い意志を表現するその作品群は、戦争や自然災害、病気など、人類が直面する、ときに「地獄」のような苦しみを克服するヒントを与えてくれることでしょう。
(引用元:森美術館)
人間の感情に真摯に向き合った作品群なだけに、この展示を観て 体験した人は皆、重い思いを抱えて帰る、そんな感想をたくさんお見受けしました。
ルイーズブルジョワ展に行ってみると、分かるでしょう。
Louise Bourgeois(ルイーズ・ブルジョア)(1911年12月25日~2010年5月31日)
フランス パリ出身、アメリカの インスタレーションアーティストです。
(インスタレーションアートとは、映像、音響、彫刻、絵画などを組み合わせ、空間全体を作品として体験するアート作品です。)
ルイーズの作品は、フェミニズムの観点からも、高く評価されています。
ルイーズブルジョワ展は開催中
中山美穂さんが足を運び、心を大きく動かされたルイーズブルジョワ展。
筆者も、中山さんと同じ作品を、体験してみたくなりました。
まだ、森美術館で、2025年1月19日まで、開催されています。
中学生以下のかたは、入館料が無料です。
最後に 報道の仕方について
急逝された当日は、彼女のコンサートでした。
ご家族、ご友人、ファンの方々、そしてきっとご本人も、突然のことで驚き悲しみの中にいます。
メディアの皆様方は、どうか、変な憶測を呼ぶような表現は、やめましょう。
どうか「自分や、自分の大切なひとが報道されるとしたら」を考えて、記事づくりを。
中山美穂さんの想い出の作品やエピソードの特集などを、ファンは見たいと思います。
それがメディアの役割ですよね。(弊サイトも含め自戒も込めまして。)
中山美穂さんのご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
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