今現在、パレスチナでは、多くの人々が 大きな迫害を受け、スポーツも、大きな困難に直面しています。
そんな中、8人のパレスチナ選手が6つの異なるスポーツでパリ五輪に参加しています。
本記事では、8人のパレスチナ代表の選手について、お伝えしていきます。
8人のパレスチナ代表選手 プロフィール
パレスチナの代表8人のうち、パレスチナのヨルダン川西岸に住むメンバーは、ボクサーのワシーム・アブ・サルと、陸上のモハメド・ドゥウェダーの2人だけです。
8人のメンバーのうち6人が海外で生活し、練習してきました。
（参考：Lacuarta 2024.7.26 より）
オマール・イスマイル選手／Omar ismail【テコンドー】
パレスチナ代表8人のうち7人は 予備選考会で本大会出場には届きませんでしたが、主催者推薦枠（通称ワイルドカード）で招待を受けています。
パレスチナ代表団の中で、予選で勝利して パリ大会への出場権を獲得した唯一のメンバーはイスマイルです。
（参考：Washingtonpost 2024.7.24 より）
2024年3月、中国の泰安で開催されたアジア予選で、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、アフガニスタンの選手たちに勝利し、パリ五輪 テコンドー58kg以下級に出場することになりました。
小さい頃からこの瞬間を夢見ていた。世界最高の選手たちと一緒にパリにいる自分を想像して、とても幸せだった。表彰台で自分の旗を見せることができて、とてもうれしい。
と、イスマイル選手は話します。
（参考：The Palestine Chronicle 2024.7.22 より）
| オマール・イスマイル／Omar ismail プロフィール | |
|---|---|
| 本名 | オマル・ヤセル・イスマイル／Omar Yaser Ismail |
| 国籍 | パレスチナ人 |
| 生年月日 | 2005年11月3日 |
| 出身地 | アラブ首長国連邦 シャルジャ |
| 競技 | テコンドー |
イスマイルの両親は、ヨルダン川西岸の町ジェニンで育ち、2003年にアラブ首長国連邦に移住しています。
アラブ首長国連邦 シャルジャに定住し、2年後にイスマイルが生まれます。
9歳のとき、イスマイルは友だちの付き合いで テコンドーのクラスに参加しますが、最初のうちは、ただ見るだけだったといいます。
テコンドーを始める前は、サッカーの方が好きだったようです。
インストラクターから誘われ、参加するうちに 素早い動きに喜びを感じるようになり、鋭い反射神経で、彼はみるみるうちに優秀な成績を収めるようになりました。
12歳になるまでに 国際大会に出場、表彰台で彼が頭上に掲げたのはパレスチナの緑、赤、黒の色でした。
イスマイルは、少なくとも年に1回はヨルダン川西岸の親戚を訪ねてきました。
両親の故郷の思い出や歴史の話を聞いて育った彼は、
パレスチナの子供たちに、彼ら一人一人が夢を実現できるという希望を与えたい
といい、みんなのロールモデルになりたい、と話します。
（参考：Washingtonpost 2024.7.24 より）
【イスマイル選手の実績】
2019年8月 カデット世界選手権で銅メダル獲得（ウズベキスタンのタシケントで開催）
2022年8月 世界テコンドージュニア選手権で銅メダル獲得（ブルガリアのソフィアで開催）
2022年、2023年 シニア世界選手権に出場、16歳でシニア部門に参入し、28歳の対戦相手と対戦
2024年2月 アラブカップで優勝（フジャイラで開催）
2024年2月 トルコオープン2024で銅メダルを獲得（アンタルヤで開催）
2024年3月 アジアテコンドーオリンピック予選トーナメントで、出場資格を得る（中国の泰安で開催）
フジャイラ アラブカップ チャンピオン
日程と競技結果
テコンドー男子58kg級予選は、以下の日時に行われる予定です。
2024年8月7日 水曜日 16:00頃（日本時間）
2024年8月7日 水曜日 9:00頃（パリ時間）
（追記）オマール・イスマイル選手 競技結果
【予選（試合103）】（日本時間 8月7日 16:21～）
予選では、 Hadi TIRANVALIPOUR（ハディ・ティランバリプール）選手と対戦しました。
| 選手名 | スコア | 第1ラウンド | 第2ラウンド |
|---|---|---|---|
| オマール・イスマイル選手 | 2 | 4 | 5 |
| ハディ・ティランバリプール選手 | 0 | 3 | 0 |
第1ラウンドは接戦。第2ラウンドでも勝利し、イスマイル選手はベスト16に進出しました。
また、イスマイル選手と対戦したIOC難民選手団のハディ選手は、Olympics.comの取材に答え、世界中の難民へメッセージを伝えています。
ハディ・ティランバリプール選手
「メッセージは一つ。私たちがここにいるのなら、戦うつもりです。
私たちは多くの困難に直面してきました。
決してあきらめないでください。目標や夢があるなら、進み続けなければなりません。
これが世界中の難民の皆さんへのメッセージです。私たちは進み続けなければなりません。」
（参考：Palestine.com 2024.8.8 より）
【決勝トーナメント（16強戦）1回戦】（日本時間 8月7日 18:24～）
決勝トーナメント1回戦で、イスマイル選手は、スペインの Adrián Vicente Yunta（エイドリアン・ビセンテ ユンタ）選手と対戦しました。
| 選手名 | スコア | 第1ラウンド | 第2ラウンド |
|---|---|---|---|
| オマール・イスマイル選手 | 0 | 3 | 7 |
| エイドリアン・ビセンテ ユンタ選手 | 2 | 8 | 9 |
対戦相手、スペインのエイドリアン・ビセンテ ユンタ選手もまた、ヨーロッパ選手権などで数々のメダルを獲得してきた 実績のある選手です。（パリ五輪では、この後、5位を獲得）
イスマイル選手は、ベスト16に進出し、11位でした。健闘しました！
ホルヘ・アントニオ・サルヘ ／Jorge Antonio salhe【射撃】
ホルヘ・アントニオ・サルヘ 選手は、パレスチナ代表として射撃 スキート部門に出場するチリ人です。
ISSFからパリ五輪に参加するよう招待され、オリンピックで射撃競技に出場する 初のパレスチナ代表となりました。
「ISSF」とは「International Shooting Sport Federation」、射撃競技の国際競技連盟です。
この招待は、多様性促進のために、代表権の低い国からのアスリートに割り当てられた参加枠です。
| ホルヘ・アントニオ・サルヘ ／Jorge Antonio salhe プロフィール | |
|---|---|
| 本名 | ホルヘ・アントニオ・サルヘ・レディ Jorge Antonio Salhe Readi |
| 国籍 | チリ・パレスチナ人 |
| 生年月日 | 1974年8月24日 |
| 出身地 | チリ、サンティアゴ |
| 職業 | スポーツ 射撃選手 エンジニア（産業土木技師） |
| 出身校 | チリ・ポンティフィカル・カトリック大学 |
ホルヘ・アントニオ・サルヘは、パレスチナ移民の息子です。
彼のお母さんは、彼の母親はベツレヘムで生まれました。
ディアスポラに住む他の多くのパレスチナ人と同様、より良い機会を求めて、4歳の時にベレン市からチリに到着し、サンティアゴに定住します。
ホルヘは、パレスチナのルーツが大切にされる家庭で育っています。
チリ教皇庁立カトリック大学で工学を学んでいます。
スキートは、サンティアゴの地元クラブで練習し、全国大会で優秀な成績を収めました。
彼はペルーのオリンピック射手フアン・ジハに師事しています。
ホルヘはチリに住んでいて、パリオリンピックでチリ代表選手のシューター、フランシスカ・クロヴェットとトレーニングを共にしていました。
（参考：ADN 2024.7.27 より）
日程と競技結果
【射的男子スキート】ホルヘ・アントニオ・サルヘ 選手
8月2日 29位 スコア 63（前半 63）
8月3日 30位 スコア合計 100（前半 63・後半 37）
パレスチナは、射撃で初めてのオリンピック出場。
ホルヘ選手は、道を作りましたね！
ヴァレリー・タラジ／Valerie tarazi【水泳】
パレスチナ代表の水泳選手は2人。
その1人、ヴァレリー・タラジ選手は、女子 200m メドレーの選手です。
| ヴァレリー・タラジ／Valerie tarazi プロフィール | |
|---|---|
| 本名（アラビア語表記） | فاليري ترزي （ヴァレリー・タラジ） |
| フルネーム | Valerie Rose Tarazi／ヴァレリー・ローズ・タラジ |
| 国籍 | アメリカ |
| 生年月日 | 1999年10月9日 |
| 出身地 | アメリカ イリノイ州 |
| 大学 | オーバーン大学卒業 （2018年～2023年 オーバーン大学水泳部に所属） |
ヴァレリー・タラジさんは、パレスチナ系アメリカ人ですが、親戚がいるガザの伝統的なキリスト教徒の家庭に生まれました。
アメリカのイリノイ州で生まれ育っています。
幼い頃から、ご両親、お兄さんと世界中を旅行し、様々な文化を体験しています。フランス語も堪能なのだそうですよ。
タラジさんが 水泳を始めたのは、なんと
3歳の時！
ヴァレリー・タラジさんはスポーツマンで、ホッケー、野球、テニスなど様々なスポーツの経験があります。
かつては、国内で2番目に強いソフトボールチームに所属し、州チャンピオンのホッケーチームにも所属していたこともあるのだとか。
しかし、やっぱり夢中になったのは水泳だといいます。
（参考：ヴァレリー・タラジさんLinkedIn 自己紹介より）
【ヴァレリー・タラジ選手 実績】
2023年 アラブ競技大会参加、金メダル2個、銀メダル3個、銅メダル1個を獲得（アルジェリアで開催）
50m背泳ぎ、100m背泳ぎ、50m平泳ぎ、100m平泳ぎ、200mバタフライで、パレスチナ記録を保持。
タラジさんは、パレスチナを代表するアメリカ人水泳選手です。
日程と競技結果
8月2日【女子200m個人メドレー】ヴァレリー・タラジ選手
ヴァレリー・タラジ選手は、女子200m個人メドレー予選1組で、2位でした。（タイム 2:20.56）
予選で1位のアザフラ・ペルマタハニ選手（インドネシア）と0.05秒差、良い勝負でした。
（アザフラ選手は、2:20.51）
ヤザン・アル・バワブ選手／ Yazan al bawwab【水泳】
ばヤザン・アル・バワブ選手は、2021年の東京オリンピック、2024年のパリオリンピック共に、パレスチナ代表で出場しています。
| ヤザン・アル・バワブ選手／ Yazan al bawwab プロフィール | |
|---|---|
| 生年月日 | 1999年10月30日 |
| 出生地 | サウジアラビア生まれ |
| 国籍 | パレスチナ、イタリア |
| 出身校 | カールトン大学・ロンドン大学 |
アル・バワブ選手は、サウジアラビアで、イタリア国籍を持つパレスチナ人の両親のもとに生まれました。
アル・バワブ選手はパレスチナ人とイタリア人の二重国籍を持ち、父親が家具店を経営していたアラブ首長国連邦のドバイで育ちました。
アル・バウワブはカナダのオタワに住み、カールトン大学で航空宇宙工学と機械工学の学位を取得。
現在はオランダに住み、ロンドン大学で国際スポーツマネジメントの修士号を取得しています。
彼はまた、パレスチナの一部地域での溺死事故の数を減らすために、水泳教育と安全意識を高めることで コミュニティに貢献することを目指しています。
アル・バウワブさんのプロジェクト「SwimHope Palestine」は、パレスチナの恵まれない人々や、難民コミュニティを支援するために設計されたイニシアチブです。
子どもたちに基本的な水泳と救命スキルを教えることに重点を置いています。
（参考：International Olympic Comittee より）
日程と競技結果
7月28日【男子100 m 背泳ぎ】ヤザン・アル・バウワブ選手
ヤザン・アル・バウワブ選手は、 男子100 m 背泳ぎ予選に出場、予選1組で3位に入りました。（タイム 58.26）
競技はすぐに終わりましたが、彼は30分近くジャーナリストたちと話したといいます。
アル・バウワブ選手「私がここにいるのは、飢えている人々や命を奪われている子供たちのためにであり、私の水泳について話すためではありません。」（参考：Le Monde 2024.7.29 より）
ファレス・バダウィ選手／Fares badawi【柔道】
柔道・男子81キロ級 ファレス・バダウィ選手は、シリアのヤルムーク難民キャンプで生まれ育ち、現在はドイツ在住です。
| ファレス・バダウィ／Fares badawi 選手 プロフィール | |
|---|---|
| 生年月日 | 1996年7月25日 |
| 身長 | 178cm |
| パリ五輪 種目 | 柔道・男子81キロ級 |
「ガザの人々を幸せにしたい」と、ファレス選手はパレスチナ大会に参加しています。
日程と競技結果
7月30日 【柔道】R16（ラウンド16）ファレス・バダウィ選手
ファレス・バダウィ選手は、2回戦でタジキスタンのソモン・マフマドベコフに敗れましたが、オリンピック出場は、多くの人の力になったと思います！
ワシム・アブ・サル選手／Wasim abu Sal【ボクシング】
ワシム・アブサル選手は、パレスチナ初の、オリンピック大会にエントリーしたボクサーです。
| ワシム・アブ・サル／Wasim abu Sal 選手 プロフィール | |
|---|---|
| 生年月日 | 2004年6月14日 |
| 身長 | 173cm |
| ボクシング階級 | 男子フェザー級 |
自分の体重の練習相手が見つからない中での練習だった
ワシム選手は、オリンピック選手であっても、自分の体重と同じ体重の練習相手が見つからず、自分よりも約30ポンド重い71キロの選手とスパーリングをしていたのだそうです。
そのため、ワシム選手はスピードを落とさなければならず、相手は力を落とさなければならない、という状況の中で、練習をしてきていました。（参考：THE BUSINESS TIMES 2024.7.31 より）
試合に敗れるも、相手の選手が挑戦者ワシムをたたえる
7月28日 ワシム選手 競技結果
男子57キロ級1回戦第2試合で、ワシム選手は、スウェーデン代表のネビル・イブラヒム選手に敗れました。（0-5）
ネビル・イブラヒム選手は、試合後 ワシム選手を称え、そんな2人の姿に心を動かされた人も多かったと思います。
ワシム選手を称えるネビル選手（出典：La Jornada公式X 2024.7.29 より）
El primer boxeador olímpico de #Palestina, WasimAbusal (en azul), debutó con una derrota en Paris2024, pero el desenlace ofreció una escena de solidaridad ejemplar. El vencedor, el sueco Nebil Ibrahim, levantó la mano a su contendiente y pidió al público que lo reconocieran por todo lo que representa.
（引用元：La Jornada公式X 2024.7.29 より）
実は、ワシム選手の対戦相手であるネビル・イブラヒム選手（スウェーデン）は、勝利して「胸が張り裂けそうだった」と語っています。
【ネビル・イブラヒム選手】「最初はパレスチナ人に勝ったことをとても悲しく思いました。私はパレスチナ人の熱心な支持者ですから、彼の夢を潰さなければならないのは心が張り裂けそうです」
そうですよね…。でも、力いっぱい闘うことが、相手へのリスペクトですものね。
イブラヒム選手は、気持ちを切り替え、ワシム選手をたたえました。
【ネビル・イブラヒム選手】「でも、私は気持ちを切り替えて、パレスチナ人初のボクサーと戦い、彼とリングを共にできたことは私にとって名誉なことだと伝えようとしました」
日本のメディア「ニュースZERO」がワシム選手にインタビュー
ワシム選手は、日本のメディア（日本テレビ系「ニュースZERO」）のインタビューに答えて下さっていました。
（出典：日テレ「ニュースZERO 2024.8.2」より）
（出典：日テレ「ニュースZERO 2024.8.2」より）
（出典：日テレ「ニュースZERO 2024.8.2」より）
「ニュースZERO」では、ワシム選手へインタビュー、パレスチナの状況を取り上げてくれていました。
ワシム選手は、コーチになかなか会えず、ずっとネットを介してのトレーニングを受けていたそうです。パリに来て、やっと自分のコーチに会えたといいます。
ワシム選手は「他の国と同じように、スポーツをする権利、生きる権利を」とうったえ、「一回戦敗退だが、2028年再び戻ってきて、パレスチナの旗をはためかせたい」と、決意を新たにしていました。
（参考：「ニュースZERO」2024.8.2放送回より）
日本のメディアでは取り上げられることがめったにないので、こうして取り上げてくれたことは、本当に嬉しいですね。
一日も早くパレスチナに平和が戻るよう、これからも全世界が注目していきたい、
そのためにも、ワシムさんはじめ8人の選手団のオリンピック出場は大きな意味があります。
世界中で「Free Palestine」の声が高まっている中、このパリ五輪ではことさらに、パレスチナ選手の競技ひとつにも、世界中のメディアが注目しています。
ライラ・アル・マスリ／Layla al masri 【陸上】
ライラ・アル・マスリ選手は、女子800メートルの選手です。
【和訳】
（ライラ・アル・マスリさん）世界クロスカントリー選手権でパレスチナを代表する初の女性になる機会を得られたことは、本当に光栄なことであり、その機会に感謝しています。
しかし、人々がガザの人々に背を向けている中で、このような機会を得られることを考えると、ほろ苦い気持ちになります。
運よく私は米国に住み、レースに参加できる一方で、兄弟姉妹たちは残酷な砲撃を受け、練習施設やレースへの移動手段を失い、手足を失い、コーチを失い、命さえ失っています。彼らはトレーニングもできません。
体に栄養を与える食べ物さえありません。
しかし、このような瞬間に、私は 神が私に与えてくれた能力を使って、何が起こっているのかを明らかにし、広め続けることができます。
私は、国旗を掲げ、私たちの人々の強さ、過去 6か月、いや、過去75 年間、残酷な占領下にあった人々の強さを示しながら、自分の好きなことをすることができます。
パレスチナ人は回復力があります。
私たちが失ったもの、心痛の中にあっても、パレスチナ人は何度も姿を現すでしょう。ガザについて語るのをやめないでください。パレスチナについて語るのをやめないでください。#freepalestine 🇵🇸🍉
| ライラ・アル・マスリ／Layla al masri さんプロフィール | |
|---|---|
| 生年月日 | 1999年6月26日生まれ |
| 出身地 | アメリカ コロラド州コロラドスプリングス |
| 国 | パレスチナ系アメリカ人 |
| 大学 | コロラド大学コロラドスプリングス校 （生物医学を学ぶ） |
日程と競技結果
【陸上】ライラ・アル・マスリ選手 競技結果
8月2日 女子800メートル予選 1組 9位（タイム 2:12.21）
8月3日 女子800メートル敗者復活戦 予選 2組 8位（タイム 2:16.72）
ライラさん、健闘しました！
私たちも、パレスチナについて語ることを続けていきます。
モハメド・ドゥエダル／Mohammed dwedar【陸上】
モハメド・ドゥエダル選手は、男子800メートルの選手です。
| モハメド・ドゥエダル／Mohammed dwedar 選手 プロフィール | |
| 国籍 | パレスチナ |
| 生年月日 | 2001年1月9日 |
2022年、ドゥウェダル選手は800メートル走でパレスチナのチャンピオンになりました。
自己ベストは、800メートル：1分55秒31（2023年10月2日、杭州）
今のパレスチナでは、スポーツ競技会へ行くのは困難
パレスチナで、スポーツ競技会のために 近くの都市に車で行くには、イスラエル軍の検問所を通る何時間にも及ぶ過酷な旅をしなければなりません。
ドゥエダルさんは、先月のインタビューで、ヨルダン川西岸地区でのイスラエルの襲撃が激化しているため、こうした旅も、事実上できないと話しています。（参考：THE BUSINESS TIMES 2024.7.31 より）
日程と競技結果
【陸上】男子800メートル モハメド・ドゥエダル選手
予選は、以下の日程で行われます。
2024年8月7日 水曜日 11:55～（パリ時間）予選
2024年8月7日 水曜日 18:55～（日本時間）予選
（追記）モハメド・ドゥエダル選手 競技結果
8月7日 予選2組 9位 タイム：1:54.83
8月8日 敗者復活戦 予選4組 9位 タイム：1:54.83
ドゥエダル選手の 2023年10月2日時点での自己ベストが
800メートル：1分55秒31でした。
（もし これ以降更新されていなければ）、パリ五輪で、自己ベスト更新しましたね！
パレスチナの旗手をつとめたのは？
パレスチナ代表団の旗手をつとめたのは、ヴァレリー・タラジ選手とワシーム・アブ・サル選手です。
多くのオリンピック選手、未来のオリンピック選手、コーチが亡くなっています
悲しいことに、このオリンピックまでの数か月間に、ガザでは多くの選手、コーチ、スカウト、スポーツ協会員も亡くなりました。
パレスチナオリンピック委員会とパレスチナサッカー協会によると、10月7日以降、約400人の選手が亡くなり、サッカー協会は、サッカーだけで 245人、そのうち69人は子ども、176人は若者だと指摘しています。
約33人のスカウトと70人のスポーツ協会員も亡くなっています。
パレスチナ代表サッカーチームのコーチ、ハニ・アル・マスダールさん（42歳）は、2024年1月のイスラエル軍の空爆で亡くなりました。
バレーボール選手（2021年西アジアビーチバレー選手権で銅メダルリスト）の イブラヒム・クサヤさん（32歳）とハッサン・ズアイテル（29歳）は、2023年11月に 住んでいた難民キャンプにミサイルが命中し亡くなりました。
クロスカントリーランナーで代表チームのコーチ、ビラル・アブ・サマーンさん（31歳）は、建物の瓦礫の中から人々を救出するのを手伝っている最中に、別の爆弾が落ち、2023年12月に亡くなりました。
全国空手チャンピオン、ナガム・アブ・サムラさん（24歳）は、2023年1月の空爆で肺を損傷し、片足を失い、エジプトの病院で亡くなりました。ナガム・アブ・サムラさんは、本来であれば 今大会に出場予定でした。
1996年にパレスチナ初のオリンピック旗手となった、マジェド・アブ・マラヒールさんは、医療援助が不足していたガザの難民キャンプで腎不全のため61歳で亡くなりました。（2023年6月）
ガザから脱出した人の中に、2021年の東京オリンピックに出場した 22歳の重量挙げ選手、モハメド・ハマダもいます。
バーレーンに到着し、タイでのオリンピック予選の10日前にトレーニングを再開しましたが、ガザでの食糧供給が途絶えたため、ハマダは1か月で35ポンド痩せ、筋肉が衰え、自身が何年も前に超えた重量を持ち上げることができず、予選を通過することは出来ませんでした。
スポーツ施設も被害が大きく、ジム、トレーニング場、競技場、スタジアムなど、多くの施設が損傷または破壊されています。
（参考：WashingtonPost 2024.7.24 ／Anadolu Agency 2024.7.26 より）
国際社会は、本来の「オリンピックの精神」に立ち返り、ガザ地区の平和のために1人1人が出来ることに、心を寄せていかねばなりません。
パレスチナ選手団がパリ五輪に出場したことは、多くの人々の心を動かしたことでしょう。
私たち市民1人1人が「出来ること」は、たくさんあります。
「Olive Journal」さんのサイトに解かりやすくまとまっています。
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