マイナンバー保険証、作ったものの不便すぎる!とあちこちで悲鳴が上がっています。
一方、政府は「こんなメリットがあります!」とゴリ押ししていますが…。
これからマイナンバーと保険証を紐づけしようか迷っている方は、まず、どんな風に不便なのか、また、本当に便利な点はあるのか、それらを知ったうえで決めた方が良いと思います。
この記事では、実際の医療現場の声を元に、(政府が言う)「メリット」とされるものと、デメリットについて、まとめています。
マイナ保険証「メリット」の「より良い医療が受けられる」って本当?
→実は「プライバシー侵害」「トリアージの遅れ」の危険性も!
まず、マイナンバーカードと保険証を紐づけることの「メリット」と言われている事について、見ていきたいと思います。
(デメリットについては、後半で、お伝えしていきます。)
政府は、マイナ保険証に変えれば、「今より、より良い医療が受けられるようになる」とうたっています。
①「より良い医療が受けられる」?
では、「マイナ保険証導入」で「より良い医療が受けられる」のか、見ていきましょう。
トリアージが遅れてしまう
病院には、1分1秒をあらそう病状や 怪我を負っている方々が来ます。
その時に、医療現場の入り口でもたもたしている余裕はありません。
「マイナ保険証」の資格確認に時間がかかることにより、トリアージが遅れてしまう、といった重大な問題が起きてしまいかねません。
【トリアージとは?】
災害現場で良く聞かれる用語ですが、病院でも同じです。
緊急性がある人、重症度が高い人を素早く見分け、優先的に治療していきます。
これを「トリアージ」といいます。
多くの方は、「そういった方々は救急車で運ばれてくるだろう」と思われているかもしれません。
しかし、実際に、歩いて来院する方々の中にも、すぐに処置にあたらなければならない人が多いのです。
強い胸痛が出ない心筋梗塞などもあり、歩いて病院に来る人でも「重症」なことが多くあります。
そのため、現場では目を光らせており、それは「受付から」もう始まっているといいます。
病院では、もう最初の入り口の段階から、受付け(資格確認)、患者さんの状態の把握、トリアージを「同時並行で」やっています。
速やかに治療に繋ぐための、大切な「入り口」。
その入り口で足止めをする 欠陥のあるシステムは、人の命にかかわる医療現場では採用されることはあってはなりませんよね。
「(マイナ保険証での受付では)医療の質は、逆に落ちてしまいます」と、現場の医師が切実にうったえていました。
事務手続きをスムーズにし、ただちに診療にうつれる、というのは医療の質を保つうえで非常に重要なことだと解ります。
カードリーダーのトラブル例
では、その受付での「足止め」、カードリーダーのトラブルを見ていきましょう。
今(2024年11月現在)はまだ、マイナ保険証が一部の方々の利用にとどまっているものの、もしも 来院者全員がマイナ保険証での受付となった場合、毎回 非常に混雑し「大変なことになる事は、想像にかたくない」と現場の医師はうったえます。
多くの病院で、カードリーダー設置は1~2台しかありません。
1つのトラブルが起きることによって、その後ろの方々の受付けが滞ってしまいます。
今まで通り紙の保険証であれば、月に一度だけ受付で渡すだけで済み、並ぶこともありません。
毎回ではなく「月に一度」というのも、きちんと理にかなっていることなのですよね。
医療現場での医療の質を保つ観点からも、クライアント(患者さん)の使いやすさの観点からも、今までの紙の保険証の方が、はるかに良いシステムであることが、改めて解りました。
いたましい死亡事例が起きている
何よりも深刻なのは、決して あってはならない「マイナ保険証の不具合で受診できなかった人が死亡する」という事が実際に起きてしまったことです。
これは、岐阜県での事例です。
胸の痛みがあり、クリニックを訪れた方が受診しようとしましたが、カードリーダーの不具合で資格確認されない、といったトラブルが起きました。何度も試みましたが、出来ませんでした。
10割の医療費の持ち合わせもなく、症状も落ち着いてきたように見えたことから、付き添った夫さんは「明日、保険証を持って出直します」と、受診することなく帰宅します。
しかし、その日に症状が悪化してしまい、心筋梗塞で亡くなってしまったのです。
クリニックの会長は、このように訴えています。
「現行の保険証であれば、このような悲しい出来事は起きなかったはずです」
本当に、悔やまれます…
強い胸痛が出ない心筋梗塞であったり、たいして頭痛もないけれど実はくも膜下出血であったり、そういった患者さんが、歩いて病院にいらっしゃることもある、と、現場の医師はうったえます。
機器の不具合があったと答えた医療機関は、1万2700中、8929にのぼります。(全国保険医団体連合会 調べ)
受付がスムーズにいかないどころか「入り口で認証がうまくいかなくて受診をあきらめる」といったことが、また起きかねません。
(参考:全国保険医団体連合会 2024.8.22 /Rapt+a 2024.6.16 /現代ビジネス 2024.11.6 /厚生労働省 武見大臣会見概要 2024.7.5 より)
地域医療を疲弊させていく政策
切実な問題として、「マイナ保険証システム導入」が原因と思われる 病院・歯科医院の廃業が、実際に出てきていることです。
特に地方では、もう経営はギリギリだけれど、「地域に一軒も無いと困るから」と、何とか踏ん張ってくださっている医院があります。
歯科医院の廃業が今 ハイペースで進んでいる原因が「マイナ保険証導入」だといわれています。
ただでさえ、物価高騰で苦しい経営を余儀なくされているところ 頑張っていたのに、マイナ保険証の設備の初期導入費用は、補助金で賄えても、それらの機器の今後の維持経費を考え、廃業するところも多いのです。(参考:東京新聞 2024.11.6 )
「より良い医療」から逆行していますよね…
自分で申請・管理出来ない方々には困難なシステム
今までの保険証は、自動で 保険者から発行、送付されてきました。(プッシュ型の行政サービス)
ちゃんと期限切れになる前に、保険証が手元に届く仕組みがありました。
一方、マイナカード・マイナ保険証のシステムは、「申請主義」です。
これは国民皆保険制度が大きく後退したと言わざるを得ません。
意思決定が困難であったり、自分で期限管理することが難しい方々にとって、マイナ保険証を申請したり、更新を行うことは困難です。
そのため、このままでは、多くの人が無保険になってしまうリスクが大きいです。
実際に問題も起きています。
兵庫障害者連絡協議会が行ったアンケートでは、切実な声が上がっています。
難病や障害のある人が体調などの関係で役所に行くことができず、マイナ保険証の更新手続き
ができなかった(本人でないとダメだと言われた)。(引用元:障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会 2024.9.26 障害者の「マイナ保険証」問題についての緊急要請 )
命を守るための 国民皆保険制度は「申請主義」であってはいけませんよね。
それでは次に、政府が「より良い医療」とうたっていることの内容、細かい部分をピックアップしてみましたので、見ていきましょう。
②「情報共有がスムーズになる」?
政府がさかんにキャンペーンで繰り返す「メリット」についてです。
厚労省のHPには、現在、このように記載されています。(※2024年11月現在)
「薬剤情報等の提供に同意をすると、お薬手帳を見せなくても、過去に処方されたお薬や特定健診などの情報を初診でも医師・薬剤師にスムーズに共有できます。」
(引用元:厚生労働省)(※2024年11月現在)
う~ん…今までも、お薬手帳だけで十分だったし、何が便利になるの?
それでは、実際にマイナンバー保険証に登録・受診を試みた方のケースを見ていきましょう。
結論は、以下の通りです。
- 直近3週間~1ヶ月の間に処方された薬の情報は分からない
- 病名や診療行為の内容等の情報も分からない
- 薬剤情報を提供する範囲をクライアントが選ぶことはできず、マイナンバーと紐づいている全ての薬剤情報を、医療機関側で閲覧できるようになってしまう
(引用元:全国保険医団体連合会公式チャンネル「2024年8月22日東京弁護士会主催 市民集会」より)
1. 直近3週間~1ヶ月の間に処方された薬の情報は分からない
1ヶ月のレセプト情報(診療報酬明細書)が遅れて反映されるものなので、直近1ヶ月の既往歴、薬剤情報は得られません。
そのため、お薬手帳は必ず持参した方が良いでしょう。
たとえマイナ保険証に紐づいた情報があっても、お薬手帳があっても、
お医者さんは必ず、患者さんに必要事項を聞きながら、診療方針を決めていきますよ。
マイナ保険証がある・無しは関係ありません。
2. 病名や診療行為の内容等の情報は、これだけで分からない
処方された薬の情報や、点滴された薬剤名は出てきますが、それだけでは、どういった病気・症状だったのか、ということまでは判りません。
医師は、今まで通り丁寧に診ていくので、やはりここでも、マイナ保険証のある・無しは、関係ありません。
必要な情報は、お医者さんと患者さんとの信頼関係のもと、聞いていくものです。
3. 薬剤情報を提供する範囲をクライアントが選ぶことができない
これが1番、重大な問題をはらんでいます。
プライバシーの侵害です。
情報共有の項目で「同意」すると、提供する薬剤情報・したくない薬剤情報を、クライアント(患者さん)側で選べず、「全ての薬剤情報を共有」することになってしまいます。
治療に必要な情報共有というのは、お医者さんと患者さんの信頼関係のもと、進めていくものです。
今の治療に必要なことを聞いていくのは、ちゃんと理由があってのこと。
しかし受診前では、信頼できる医師かどうか、という判断が出来ません。
何でもかんでも情報を流すというのも違います。
薬によっては、病名が分かってしまう薬がありますよね。(例:抗HIV薬など)
それを知られたくない場合がありますが、機械が「情報提供に同意しますか?」と聞いてくるのです。
医師からの説明無しでの「同意」を機械的に求めてくるオンラインシステムでは、本当の意味で「同意」にはなっておらず、個人情報保護法違反なのではないか、という指摘もあります。
では、情報を知られたくない人は、どうすればいいの?
これについて、医師の方からのアドバイスがありました。
受付の機械から「情報の同意」についてのチェックを求められたら、全部「不同意」にしてください。
診察の時に、今まで通り、医師は患者さんと信頼関係のもとで、必要な情報を丁寧に聞いていきますので、大丈夫です。
決して、「不同意」を選択したからといって、医療の質が下がるといったことはありません。
②「高額医療費の手続きが不要」で便利?
「マイナンバーカードで資格確認を行うため、紙の認定証の持参なし&手続きなしで高額医療費の限度額を超える支払いが免除になります。」
(引用元:厚生労働省)(※2024年11月現在)
【高額療養費制度とは?】
高額療養費制度は、1ヶ月の間にかかった医療費の自己負担額(1割・3割負担)が高額になった場合、一定の上限額を超えた分のお金が、払い戻される制度です。
手術・長期入院など、1割・3割負担であっても高額になってしまう時のための制度です。
(※公的医療保険適用外の部分は高額療養費制度の対象になりません。)
自己負担額の上限は、年齢と所得区分で異なります。
政府は、この「高額療養費制度を利用するためには事前に手続きが必要、手続きが遅れた場合、高額な医療費を一旦支払ってもらわなければならない」が、「マイナ保険証があると、手続きが不要ですよ」といいます。
では、マイナ保険証がないと、そんなに不便なのでしょうか?
実際に、「高額療養費制度」を利用したことのある弁護士さんからの声です。
従来の健康保険証でも、手続きは簡単です。
(参考:全国保険医団体連合会公式チャンネル)(1:07頃~)
事前に手続きし、「限度額適用認定証」をもらって、それを医療機関に提示するだけです。
手続きは、ご加入の保険者さん(協会けんぽや自治体など)に聞くと、教えてもらえます。
また、医療機関の方も、こう説明しています。
高額療養費制度の(申請を簡単にする)ために「マイナ保険証」に変える必要はありません。
分からないことがありましたら、病院の窓口でも、お気軽に聞いてください。
以上、政府がマイナ保険証の「メリット」とうたっているものの検証でした!
(参考:全国保険医団体連合会公式チャンネル)
マイナンバー保険証のデメリットは?
では、今度は、それ以外の「デメリット」について見ていきましょう。
①個人情報の漏えいリスクがある
大きなデメリットとして、重要な個人情報の漏洩が心配されることです。
病院へのサイバー攻撃は、マイナポータルが出来る以前にも すでに行われており、このまま、今の医療DXを進めれば、よりリスクが高まると懸念されています。
そして政府は、この危険性に対しては、医療機関の自己責任としています。
マイナ保険証を毎回、通院の度に持ち歩くので、紛失や盗難のおそれがあります。
暗証番号でログインされてしまうと、マイナポータル上にある個人情報を誰でも見れる状態です。
こういったシステムは、世界の潮流とは逆行し、グローバルスタンダードとかけ離れています。
韓国では、大規模な漏洩事件が起き、禁止となった
日本よりも先に、国民登録番号と情報の紐づけシステムを取り入れた韓国では、やはり大きな問題が起きています。
2014年に、1億400万人分の情報が流出した事件があり、これを機に韓国では、原則 登録番号の収集は禁止されました。
日本では、すでに「マイナ保険証手続き」詐欺が起きている!
日本では、すでに「マイナ保険証に関する手続を勧める詐欺」も発生しています。
厚生労働省の職員を装い、音声案内に従って手続を行う、という詐欺電話です。
厚労省は、これに対し、次のように呼び掛けています。
厚生労働省が、マイナンバーカードを健康保険証として使用いただくために、電話の音声案内や
SMSなどを用いて、直接、国民の皆様に対して、利用登録を要求することは一切ありません。
万が一、マイナンバー・暗証番号等を詐欺電話に対して答えてしまった場合は、「マイナンバー総合
フリーダイヤル0120-95-0178」にお問い合わせください。
不審に思われる場合には、直ぐに110番、又は警察総合相談電話番号(#9110)へ通報してください。
(引用元:厚生労働省)
紛失や盗難以外にも、こういった詐欺の被害があります。
やはり、4桁の暗証番号で管理することや、マイナポータルに情報を集めることは、危ないですね。
②高齢者施設では預かることができない
高齢者施設では、疾患を抱えている入所者が多いため、いつでもすぐに受診できるよう、保険証をお預かりしている施設が多く、それは8割がたともいわれます。
(参考:全国保険医団体連合会公式チャンネル「2024年8月22日東京弁護士会主催 市民集会」)
しかし現状、「マイナンバー」という個人情報を施設が預かるわけにはいかないため、施設利用者さんに「マイナ保険証を作らないでください」と周知せざるを得ないのが現状です。
昨日訪問したグループホームでも、
「マイナ保険証はぜったい無理。施設で預かれない。何考えてんだと思う。」
「持たない人は資格確認書にすると言っているけど、今の保険証でいい。税金の無駄づかい」と怒っていました。
(引用元:愛知県医労連Xより)
これはマイナ保険証のシステムの大きな欠陥ですので、システムの見直しがせまられるでしょう。
最低限でも紙の保険証制度は残さなければなりません。
③衛生面の心配
カードリーダーで受付をする時に、マスクをはずして顔認証したり、暗証番号を押したりしていますが、その都度 消毒しているわけではありません。
病院は、当然ながら色んな病気の人が来るところですよね。
数十秒とはいえ(場合によっては数分)病院でマスクをはずしてカードリーダーに近付きますので、衛生面で、やはり心配です。
④(※マイナ保険証と診察券を一体化した場合)印字されるワケではないので不便
「診察券とマイナ保険証の紐づけ」が、すでにできるようになっています。
それを実際に行っている所もありますが、診察券の情報がマイナ保険証に印字されるワケではありません。
診察券は、通常、病院名だけではなく、診療日や病院の電話番号も記載されています。
紐づけられたとしても、診察券の情報が目に見えないため、ちょっと不便ですよね…
人は通常、内科、眼科、歯科など複数の医院にかかりますので、余計に管理がややこしくなってしまうという方は多そうです。
「マイナ保険証と診察券の一体化」、導入している病院はあるけれど、実際の利用者は少ないのではないかなぁ?
⑤紛失した時の再発行が大変/紛失時の盗難・外出時の盗難の心配も
2024年10月30日、声優の深見梨加さんがXで、マイナンバー保険証システムの大変さについて「介護をこれ以上大変なものにしないで欲しい」と訴えました。
ニュースになったのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、介護中の方は特に、同じ感想を持たれたことかと思います。
深見さんのポストを整理しますと、以下の3つに「大変さ」が集約されていました。
- 保険証の紛失(高齢者の家族は頻度が高い)の際、保険証はすぐに再発行してもらえるが、マイナンバーカードの再発行は困難。(高齢者の本人の手続きは特に困難。)
- 家族が再発行をする際、同居の家族のみがOK。自分は別居家族なので、大変。
- パスワードを「忘れない」というのも、高齢者にハードルが高すぎる。
深見は「マイナ免許も保険証もホントやめて欲しい」と切り出し、「高齢の母なんて保険証を年に3回くらい失くすのよ。病院はしょっちゅう行くから必要だし保険証はすぐに再発行してもらえるけど…マイナンバーカードの再発行はホントに大変で、しかも本人じゃなきゃダメ…」と、紛失時の再発行手続きが高齢者にとっては特に困難だとして「母には無理です」とキッパリ。
自身や家族が代理で手続きを行う場合を想定するも「再発行、委任状で同居の家族ならOKだけど、同居の妹は平日は仕事で遅い…別居で苗字も違う私は、妹の委任状と、妹の免許証が必要…コピーはNG いやいや免許証を渡す方がダメだろ しかも仕事行くのに車使ってんだからさー」と、容易ではない実情を記した。
さらに「使う時もパスワード入れなきゃだし、90近い人にはハードルが高すぎるよ」と指摘し、「私が試してみたけどパスワードが違うって言われて使えなかった」と強調。「せめて紙の保険証をあと5年は並行して使えるようにして欲しいの切実 介護をこれ以上大変なものにしないで欲しいですーー」と訴えた。
(引用元:日刊スポーツ 2024.10.30)
現在、この深見さんのポストは削除されています。
(削除されていることで、深見さんの「反対意見」に対して「嫌がらせ行為」があったのではないかと、想像してしまいます。)
この「紛失」の問題、再発行の大変さも、再発行までに全額負担しなければならない・その為に受診を控える可能性があるという点でも深刻です。
保健医療に必要なため、月に一度の持参のみ持ち歩いていたのが、「毎回の通院にマイナンバーカードを携帯必須」で、より盗難の危険性も増すことになります。
そして、マイナ保険証が盗難された場合、紙の保険証よりもっと実害が大きい可能性があります。
⑥暗証番号変更が大変
マイナンバーカードの電子証明書用の暗証番号(英数字6~16文字)を忘れた場合や、マイナポータルの暗証番号を忘れた場合は、住民票のある自治体で、初期化申請を行う必要があります。
その際に、本人確認のため、顔写真付き公的証明書が必要になります。
暗証番号の入力にロックがかかると、その電子証明書は利用できなくなってしまいます。
暗証番号って、時に忘れてしまうもの。
かといって 手帳にひかえるのは危険すぎるし、暗証番号変更手続きも大変すぎる…。
⑦電子証明書の有効期限切れの時も、再発行が大変
マイナンバーカードの電子証明書が有効期限切れになると、病院受付で 資格確認ができません。
こちらも、マイナンバーカードの住民登録のある自治体の窓口で、再発行手続きをしなければなりません。
⑧簡単に貸せてしまう?
「マイナ保険証」はなりすまし防止になる、という人がいますが…
「マイナ保険証」は、顔認証ではなく暗証番号でも資格確認ができます。
裏を返せば、マイナ保険証を持っている人が いくらでも他人に貸せてしまう、という問題があります。
まとめ
以上、政府が「“メリット”としているもの」、それから、他のデメリットについてもご紹介しました。
システムというものは、本来「市民が便利になるように」という目的で「実際に、医療現場やクライアントといった当事者の声を充分に取り入れて」構築されなければなりません。
今回の「マイナ保険証」システムは、どうやらその「目的」が違っていたようですが、まだまだ、市民の声で変えていくことは可能だと思います。
「マイナ保険証がなくても、資格確認書で、今まで通り保険診療が受けられる」といった必要な情報が、病院のポスターやCMで周知されていないことも、問題となっていました。(2024年11月6日現在)
また、「マイナ保険証」を作ったけれど、保険証紐づけをやっぱりやめたい、という方は、10月28日からマイナ保険証利用登録解除が出来るようになりました。
解除をご希望の方は、保険者様に聞いてみて下さい。詳しくは、こちらです。
公的な保険医療のシステムは、やはり「人権」の観点から構築されるべきものだと思います。
私たちの意見を国に送って、良いシステムに変えていくことも大切ですよね。
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