aespaのカリナさんが、俳優のイ・ジェウクさんとの熱愛報道に関して、SNSで「謝罪」をしました。
それを受けて、カリナさんを心配する声が広がっています。
アイドルの恋愛を禁止することは「人権侵害」と、韓国でも日本でもずっと問題になってきました。
しかし最近では堂々と恋愛をオープンにしながら、アイドルの仕事もがんばる人も増えてきています。
韓国と日本の司法ではどうなのか、欧米との違いは何なのか、判例もご紹介しながら、考えてみたいと思います。
ファンからのカリナさんへのあたたかいメッセージ
先ず、こちらが、カリナさんのInstagramで公開されたお手紙です。
手紙には、こう書いてありました。
こんにちは カリナです。
まず、とても驚かせてしまって申し訳ありません。
たくさん驚いたはずのMY(マイ/ファンダム名)に慎重な気持ちでいたため遅くなりました。
これまで私を応援してくれたMYがどれほど失望したか、
これまで私のことを応援してくれたMYがどれだけ失望したか。そして私たちが一緒に交わした会話を思い浮かべ、悲しい気持ちでいることをよく知っています。その気持ちを私もよく知っているので、もっと申し訳なく感じます。
この心が少しでも伝わってほしいという心に、手紙を書くことになりました。
もしかして、また傷つけてしまうのではないかという心配を乗り越えて この手紙を書く理由は、デビューした瞬間から私に最も暖かい冬をプレゼントしてくれたファンの皆さんに心から申し訳ない気持ちを伝えたかったからです。
MYたちが傷ついた部分をこれから埋めていきたいです。いつもMYに本気で、今も私にとって大切なひとりひとりです。
私の心を全て表現するには短いと言えば短い文ですが読んでくださってありがとうございます」と伝え「これからもMYを失望させずに、より成長して一生懸命活動する姿をお見せしたいです。見守っていて下さい。
MYたち、ご飯をしっかり食べていい姿で会いましょう。ごめんなさい、そしてありがとうございます。
カリナさんInstagram より
カリナさんの気持ちが伝わってきて、胸が痛くなります。
この手紙に対しての、ファンたちからのメッセージがこちらです。
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Why apologize for something not wrong at all? You deserve to be happy. Your happiness is our happiness. Stay healthy and happy Karina!!! ❤️❤️❤️
(全く間違っていないことをなぜ謝るの? あなたには幸せになる権利がある。 あなたの幸せは私たちの幸せです。 Karina、健康で幸せでいてね!!! ❤️❤️❤️)
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사과하실 필요는 없습니다. 우리는 항상 당신을 지지할 것입니다. 기운을 차리세요, 카리나
(謝る必要はない。 私たちはいつもあなたをサポートします。 元気を出して、カリナ)
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No need to apologize, its not your fault. The real fans will happy as long as you happy, they don’t deserve you dear ♡
Don’t worry, theres alot people out there who keep supporting you. Being in love is not a crime. Do whatever that make you happy, you don’t have to get their permission. Its your own life, no one have right to control your way.
(謝る必要はない、あなたのせいじゃない。 あなたが幸せなら本当のファンは幸せです、彼らはあなたにふさわしくありません♡
心配しないでください、あなたを応援し続けてくれる人がたくさんいます。
恋に落ちることは犯罪ではない。 あなたを幸せにすることをすれば、あなたは彼らの許可を得る必要はありません。 それはあなた自身の人生です、誰もあなたのやり方をコントロールする権利はありません。)
イ・ジェウクさんのInstagramへのメッセージ
続いて、イ・ジェウクさんのInstagramです。ここにも、たくさんのメッセージが寄せられていました。
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be happy with Karina, be very happy ♡
(カリナと幸せになって、とても幸せになってね)
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Please take good care of our Karina.. Congratulations to both of you 💙
(私たちのカリナを大事にしてください.. 二人ともおめでとう💙)
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Karina unnie and you are perfect. Continue together. We always support you
(カリナオンニとあなたは完璧です。これからも一緒に。
私たちはいつもあなたを応援しています )
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Bang lihat Karina minta maaf sm fans nya bang
tolong bilang ke karina tidak usah minta maaf
(カリナがファンに謝罪するのを見てください、兄さん。
カリナに謝る必要はないと伝えてください)
中には、アンチに向けて、このように呼びかけてくれる人もいました。
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it’s time that knetz realize that all we can do is support them just like how our parents support us.you need to be better a real fan wouldn’t hurt there idols or actors. I hope you guys think first before you hurt someone with your comments!!
(私たちができることは、親が私たちを支えてくれるように、彼女たちを応援することだけだということに、そろそろ気づいてほしい。
本当のファンはアイドルや俳優を傷つけたりしない。
あなたたちのコメントで誰かを傷つける前に、まず考えてほしいと思います!!)
悪質な書き込みや、SMエンターテインメント社屋前のトラックデモが報じられましたが、それらの行為を行うのは、「ファン」ではなく、「サセン」もしくは「アンチ」です。
「本当のファン」は、アーティストを守ります。そして事務所は、サセン・アンチからアーティストを守る役割があるでしょう。
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大好きなアイドルに恋人が出来た時、もしも「やきもち」や「さびしい」といった感情が湧いてきたら、それは自分の自然な感情なので、否定しなくて良いと思います。
それは「推し」に限らず、私生活でも良くあることですよね。
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そして、私生活では、例えば、片思いの彼(彼女)に恋人が出来ても、反対したり誹謗中傷したりはしないでしょう。
それと同じで、推しには推しの、大切な人生があります。
2人の所属事務所は「お互いを知っていく段階」「あたたかく見守って」
イ・ジェウクさんの所属事務所である「CJeS STUDIOS」は、「2人は知っていく段階です。イ・ジェウクは撮影中であり、私生活であるだけにあたたかい目で見守ってくださるようお願い致します」とコメントを出しています。
カリナさんの所属事務所「SMエンターテインメント」も「2人はお互いを知っていく段階です。」とコメントしています。
韓国アイドル界の「禁止事項」は事務所による
実際に、「恋愛禁止」の規則はあるのでしょうか?
例えば、TWICEやNiziUが所属する「JYPエンターテイメント」では、デビュー後の恋愛禁止期間が3年あるといいます。
BLACKPINK、TREASUREが所属する「YGエンターテイメント」は、新人グループの場合、6大禁止事項があり、 酒、タバコ、クラブ、運転、整形、恋愛が禁止されていました。
(参考:Dispatch 2017.6.9 より・NAVER 2019.1.23 より)
カリナさんの所属事務所「SMエンターテイメント」は「社内恋愛を推奨」となっています。(社内恋愛なら、会社の中で解決できるためなのだとか…)
イ・ジェウクさん所属事務所「CJeS STUDIOS」は恋愛禁止事項等は見当たりませんでした。
ちなみに、BTSの「BIGHIT MUSIC」は「恋愛禁止期間なし」です。
(参考:NAVER 2019.1.23 より)
イドンとヒョナの契約解除
2018年、元PENTAGONのイドンさんと 元4minuteのヒョナさんが、熱愛を報じられたことがあります。
2人は「噓をつきたくない」との思いから恋愛を公開します。
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すごい!潔い!
こちらは、日本の渋谷で2人がデートをしているのを、ヒョナさん本人がInstagramにUPしたもの。
イドンとヒョナは、CUBEエンターテインメントから退出を通告され、事実上の契約解除となりました。
これを受けて、ネットユーザーの間で「アイドルは恋愛してはいけないのか」「恋愛すると退出までさせるのはあまりにもひどい」という声が上がりました。
韓国での判例
2014年、韓国で、ある企画会社が所属芸能人を相手に「恋愛禁止社規」に違反したとして、損害賠償を請求したことがあります。
これに対し裁判所は「会社が芸能人の異性交際を禁止し、一方的な契約解除権により不利な処分をすることは、芸能人の人格権などを侵害する危険性がある」と企画会社の訴訟を棄却しました。
芸能界では依然として 「恋愛禁止令」がアーティストの人格権を侵害するという主張が出ています。
恋愛は個人の自己決定権と幸福追求権に含まれる個人の人格権だからです。
(参考:法律Nメディア2018.9,14「ヒョナ・イドン退出呼んだ「アイドル恋愛禁令」、法的問題ないだろうか?」より)
日本の憲法第13条にも、 個人の尊重・幸福追求権がある
では、日本ではどうでしょうか。
日本においても、「アイドルの恋愛禁止」は、日本国憲法第13条に違反している、と考えられます。
【日本国憲法 第13条】 個人の尊重・幸福追求権・公共の福祉
すべての国民は、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重されます。
生命、自由、そして自分の幸福を追い求める権利は、他の人や社会に迷惑をかけない限りにおいて、最大限に尊重されます。
憲法は、「最高法規」で、上位にあるものです。
憲法第98条で「この憲法は国の最高法規であり、憲法に違反する法律、命令などはすべて無効となります。」とも定められています。
市民全員に人権があり、「恋愛」は、尊重されるべき大切な人としての営みと考えられます。
「恋愛禁止」という規律を設けること自体が、人権侵害にあたると考えられます。
日本での判例
2016年、日本でも注目すべき判決が出たことを、指原莉乃さんが自身のオフィシャルブログで書いています。
芸能事務所が、アイドルグループに所属していた女性と交際相手を訴えていた裁判において、東京地裁は芸能事務所による損害賠償を棄却しています。
芸能事務所の「アイドルの交際禁止」という規約は幸福追求権に反する、というものでした。
英紙「タイムズ」でも、この判決を「Popstars can have boyfriends,Japan court rules(ポップ・スターでもボーイフレンドを持つことができると日本の裁判所が判断」と題して、ニュースで報じています。
ニューヨークのニュース会社「Nerdier tides」も報じており、この判例を「これは、法廷がアイドル被告の側に立った数少ない例の一つです。」と紹介しています。
「長年にわたり、ファンから見た日本のポップスターの純潔は、アイドルのイメージの重要な部分を占めてきたからだ。交際を禁止する契約から、ちょっとした体重増加に対する処罰まで、日本におけるポップスターの生活は、マネージメントが設定した条件から逸脱することへの恐怖を少なからず含んでいる。」と指摘します。
(参考:Nerdier tides 2016.1.24 より)
前述の指原さんも、「今回の判決で一歩前進したとはいえ、司法もまだ全面的にアイドルの恋愛の自由を認めたわけではない」と、ブログで警鐘を鳴らします。
まだまだ、アイドル側の損害賠償責任が問われる判例も出てしまっているのが日本の現状です。
「〝恋愛禁止″というルールについて、改めて考え直す時代が来たのだと思います」
2022年、AKB48の3代目グループ総監督の向井地 美音さんが「〝恋愛禁止″というルールについて、改めて考え直す時代が来たのだと思います」と言及し、話題になりました。
こちらは、当時、この前日にAKB48の岡田奈々さんと俳優の猪野広樹さんの熱愛が報じられたことを受けてです。
岡田奈々さんと猪野広樹さんは、それぞれ謝罪をし、岡田さんはAKB48から「卒業」しました。
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「謝罪」という状況が、今回のカリナさんの件と似ていますね。
海外メディア(韓国から見て)の反応は?
BBC NEWSが「K-pop star Karina apologises after relationship goes public(K-POPスターのカリナ、交際発覚後に謝罪)」というタイトルで、この「謝罪」について取り上げています。
BBCは、
「ただし、これは単独の事件ではありません。 韓国と日本のポップスターは、悪名高いプレッシャーのかかる業界で働いており、そのような個人的な暴露に対処するのは難しい場合がある。」
「ほんの10年前、K-POPのエージェンシーは新人スターの恋愛や個人の携帯電話の所持することまでも禁止するのが一般的で、現在でも 恋愛関係を認めることが、ファンにとって、スキャンダルとみなされることが多い。」
と伝えています。
その中で日本のポップスターを取り巻く環境についても取り上げられていました。
「日本では多くのポップスターが契約書に「交際禁止」という条項を設けており、結婚には許可が必要だ。」
(参考:BBC NEWS 2024.3.7 より)
欧米では〝恋愛禁止″は「考えられない」
欧米では、「スターの恋愛禁止」という概念が無いといいます。
「ポップアイドルスター」はアメリカにも存在していますが、いわゆる日本の「可愛い少女」の「アイドル」像とは全く違うといいます。
しかし「交際禁止」は「人権」に関わってくるものなので、単なる「音楽シーンの違い」「ポップスター像の違い」で論じられるものではないでしょう。
「交際禁止」のような、アイドルを取り巻く困難な環境は、韓国と日本では良く似ている状況といえそうです。
筆者含め、日本や韓国在住の多くのファンから見ても、今、「恋愛禁止」という人権侵害に対して胸を痛めています。欧米から見ると、「恋愛禁止」は ことさら奇異に映るのではないでしょうか。
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それから、メディア報道でピックアップする話題・視点の違いからも、問題点が見えてきます。
例えばメジャーリーグ。現地アメリカでは、「大谷翔平さんの結婚」について、日本のような過熱報道はありません。
(どこの国でもパパラッチはいるものの)日本では 主要メディアがこぞって、野球試合のことではなく「個人のプライベート」について、異常に騒ぎすぎる。これは変えていかないとですね…
メディア「ロケットニュース24」のライター Casey Baseelさん(アメリカ出身)は、日本の「アイドルの恋愛禁止」について、こう話していました。
海外の音楽ファンは、日本の業界でイメージがどれだけ売上に影響するのか、イマイチ把握できていないかも。
「ロケットニュース24」 2017.11.7 アメリカ人に『日本の芸能界』について聞いたら、ド正論が返ってきた! 「個人の自由を否定するなんてアホくせえ」より
同じように日本の「アイドルは恋愛禁止」について、日本人なら賛否の意見があると思うけど、ほとんどの外国人は「恋愛を禁止するのは変!」と反応するだろうね。このことひとつとっても、日本と海外の芸能界のあり方には大きな違いがある。
Caseyさんは、アメリカでは、アーティストの自由を抑えつけようとする事務所のことを、世間やファンは認めないという 社会の土台があり、音楽シーンでは「イメージ」を「メイン」にマーケティングすることは無い、と言います。
音楽ファンは、やはり(当然といえば当然かもしれませんが…)音楽、音に重きを置くんですよね。
まとめ
日本でも韓国でも、「アイドルは恋愛禁止」といった人権侵害の風潮に、ファンも「No」を突き付け、社会も変わりつつあります。
韓国と日本の裁判所での判例は、希望になってくれています。
カリナさんとイ・ジェウクさんのInstagramにも、「あなたの幸せは私たちの幸せ」と、たくさんの応援メッセージが届いていました。
日本でも、最近でいえば、菊池風磨さんと白石麻衣さんの、「ビッグアイドル同士」の真剣交際が報じられましたが、双方のファンからは「おめでとう」という声が大多数でしたね。
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推しがハッピーでいてくれるのが、ファンにとっても一番なんですよね!
しかしながら、風磨くん&まいやんカップルに限らず、スターは、外でのデートが まだまだ出来ない状況ですよね。
日本・韓国のアイドルの方々の人権が守られ、人間として当たり前の幸せを得られる社会文化を、作っていきたいです♡
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