「脚本家」からも日テレに苦言!芦原さん訃報を受け多くの人が「意見」まとめ

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芦原妃名子さんの訃報に、悲しみが広がるなか、多くの漫画家さん、テレビに携わる人が、意見表明をしています。

その中で、とある「脚本家」のかたが、意見表明しています。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や『獣になれない私たち』の脚本家、野木亜紀子さんです。

脚本家から、漫画家から、日本テレビに関わる方々からの意見をまとめてお伝えします。

目次

「日本テレビ」コメント

先ず、「日本テレビ」が出したコメントです。

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
2023年10月期の日曜ドラマ『セクシー田中さん』につきまして日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら脚本制作作業の話し合いを重ね、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。

本作品の制作にご尽力いただいた芦原さんには感謝しております。

デイリー 2024.1.30 より

続いて「日本テレビ」2回目のコメントです。

芦原妃名子さんの訃報に接し、哀悼の意を表するとともに、謹んでお悔やみ申し上げます。
日本テレビとして、大変重く受け止めております。
ドラマ「セクシー田中さん」は、日本テレビの責任において制作および放送を行ったもので、
関係者個人へのSNS等での誹謗中傷などはやめていただくよう、切にお願い申し上げます。

日本テレビ公式サイトより

野木亜紀子さんのコメント

野木亜紀子さんのポストです。

野木亜紀子さん公式Xより

以下、全文です。

日テレドラマ『セクシー田中さん』の件。この数日、方々に訊いてはみているものの、まだ判然としない点も多く、付随する問題の論点が多岐に渡るため、どこから触れていいのかわからない。

こんな悲しい結末になってしまうまでに幾つかのポイントがあり、そのどれもがよくない方に働いてしまったであろうことが残念でならない。

これまで実写化に関わった/いま関わっているすべての人にとって他人事ではない。 いずれにしても日テレのコメントは、第二弾が出てもなお、あまりにも足りていない。本来、日テレと小学館の間で話し合い納めるべきだったところがなぜここまでのことになってしまったのか。

いま調査中であるならば調査中である旨を公表し、今後明らかにしていくという意思を見せた方がいいのではないか。小学館と見解が異なるというのであれば第三者委員会のような立場の調査を入れる必要もあるかもしれない。

誠実であろうとしたために亡くなられた芦原先生のためにも、原作読者・ドラマ視聴者に対しても、これで終われるはずがないし、大きなショックを受けているであろうドラマ出演者や関わった人たちに対しても、日テレには誠実であってほしいです。起きてしまったことに対しての姿勢が問われています。

野木亜紀子さんXより 2024.1.31 のポスト

野木亜紀子さんは、「いずれにしても日テレのコメントは、第二弾が出てもなお、あまりにも足りていない。本来、日テレと小学館の間で話し合い納めるべきだったところがなぜここまでのことになってしまったのか。」と、苦言を呈しています。

Xやヤフコメなどでも「原作者」と「脚本家」という分け方で、憎悪をあおってしまっている世間の声も散見されるなか、職業が「脚本家」である方からの的確な意見表明があったのは、ありがたいことです。

漫画家さんのコメント

漫画家の方々からは、続々とショック、悲しい、の声と共に、「周囲の人たちは(原作者さんを孤独にさせないよう)尊重してください」「(作品を)大事に扱ってほしい」というコメントが多く上がりました。

森川ジョージさん公式Xより

森川さんは、さらに2月1日にも、ご自身の時の経験をポストしてくださっています。

森川ジョージさん公式Xより

アニメ化された2話目を観て「約束と違う、今すぐやめてくれ。やめないなら僕が連載をやめる」と制作会社に言いに行ったというエピソードを明かしました、その後会議を重ねた末、素晴らしい出来になり、信頼関係ができたことも。

その後で、こう伝えています。

こういう呟きをすると「売れたから」とか「大御所だから」とか言われるんですけどね、自分が行動したのはまだ若僧の頃ですよ。 気の強いタイプと思われがちですが、そりゃ疲弊しましたよ。
でもね漫画家の皆さん「こういう条件で」とか或いは「全てお任せ」とか言いたいことがあったら堂々と言いましょうよ。
「だったらやってやらない」と先方に言われたら、それはそれでいいじゃないですか。

森川ジョージさん公式Xより
夕希実久さん公式Xより

ニュースZEROの水曜レギュラー 辻愛沙子さんからもコメント

また、「news zero」の水曜レギュラーでもある(株)arca CEOの辻愛沙子さんからも、この件に際してコメントがありました。

辻愛沙子さん公式Xより

コメント全文です。

日テレのコメントは、同局の報道に関わらせて頂いている者としても、芦原先生の作品の読者としても、ただただ残念に思う。
あまりに突然の出来事で関係者の心の痛みも様々だろうし、会社としても事実確認が追いついていないのかもしれない。けどだからこそ、なおのこと第一報のこの言葉は明らかに誠実さに欠けているように思う。
誰かひとりだけの責任ではないし、先生が仰ったように、誰かを責め立てればいいというものでは決してない。
ただ、公共電波の力やテレビ局という大きな存在の有無いわさぬ力は、少なからずそういう不均衡を生み出す構造側になりうる訳で。 自分たちには責任の一端も無いと胸を張って言えるのだとしたらあまりに残念だ。
すべてのテレビ関係者が無責任だとは思わないし、制作者や演者を決して消費せず尊重し大事にする人がいることも、私自身の身をもって感じているし知っている。今回の出来事も、きっと本当に心を痛めている関係者だっているかもしれない。

でも、今回の件に限らず、実際にこれまでメディアが見過ごしてきてしまった加害や不均衡があちこちで明るみになってきている訳だし、デジタル化といえど、やっぱりテレビの力はまだまだ強大で影響力も大きい。 そういう強大な力場のような場所で物を作り届けていくテレビ局の仕事は、時に大きな渦のように関わる人たちの人生を変えていく。
それは良い方向にも、絶望的な方向にも。 原作者だけじゃない。 関わる人たちや取り上げる人たち、矢面に立つ演者たち、みんなそう。 彼ら彼女らは、価値を生み出す商品である前に、ひとりの生身の人間だから。

届け方ひとつで、向き合い方ひとつで、彼ら彼女らの人生が大きく変わってしまう。良くも悪くも、テレビ局ってそういう仕事なんだと思う。
その事実を、肝に銘じなければいけない。日本テレビに限らず、私含めすべてのメディアやエンタメに関わる人たち皆が。 改めて、先生がここまで苦しまねばならなかったことが本当に悔しくてならない。心からご冥福をお祈りします。

辻愛沙子さんXより 2024.1.30

ご自身も日テレの「news zero」に出演している立場から「日テレのコメントは、同局の報道に関わらせて頂いている者としても」とハッキリ意見表明してくださっていました。

「ミヤネ屋」で山田ルイ53世さんがコメント

日本テレビ系列の「ミヤネ屋」でも、髭男爵の山田ルイ53世さんが、きちんとコメントしてくださいました。

Xより

山田ルイ53世さんのコメントです↓

僕も時系列を追っていろんなSNSやるとか、原作者の方だけじゃなくて削除されたSNSのコメントであるとか、そういうのを見てちょっと思ったんですけど、僕も不勉強で全然知らなかったんですけど、こんなに原作者の人の意見って、その、弱い立場として、あんま通らへんねや。こんなにもめなあかんねん、
しかも連載中に、例えばドラマ化の脚本が上がってきた、ちょっと私の意図と違うな、こうして欲しいなっていう直しもされてたってなると、これとんでもない作業量だと思うんですよね。

しかも、そもそもの原作の漫画が、編集者とネーム描いて何回も打ち合わせしてこうやっていこう、お話進めていこうって決めて、で出して、ファンの方の支持を得たものと考えると、限りなく原作の方にとってそれが正解なワケですよ。それをちょっとドラマの流れ上、お話上しかたないとしても、納得いかない形で変更されるというのは結構しんどいと思うんですよね。

その辺のケアというか、どういうやり取りがされてたのかなっていう検証というか、それはやっぱあってほしいなと思います。

「ミヤネ屋」 2024.1.30放送より

日テレの中の人からも疑問の声

日テレの中の人からも、疑問の声があがっています。

「亡くなったタイミングで『我々は悪くない』と言わんばかりのコメントを出すのは下劣すぎる。
ドラマ制作部の連中が報道フロアに乗り込んできてコソコソと打ち合わせをしていた。
幹部がこっそり公式コメントまで用意しており、訃報はプロデューサーやデスクもオンエアまで知らされていなかったのです。フロアでは『えー!』と悲鳴があがっていました」

文春オンライン 2024.1.30 より

1月31日の「news zero」(日本テレビ)では、どう伝えられたか

1月31日放送の「news zero」では、有働由美子キャスターが、芦原妃名子さんのご遺族のコメントのニュースを読み上げ、「ご遺族の皆様に、心からお悔やみ申し上げます。」と伝えたその後、数秒沈黙の後、こう伝えています。
(冒頭、有働さんの声の調子が一瞬、涙をこらえ震えたように聞こえました。)

芦原妃名子さんの尊い命が失われたことに、本当に悲しい、やるせない気持ちです。
原作者のかたの意思を尊重するというのは、当然のことです。
この件については、何がどうして起きていたのか、関係各所の調査が必要です。
そして、その調査は、誠実に、そして慎重にすることが大事だと思います。

news zero 2024.1.31放送 より

有働さんの言う通り、今後、第三者委員会で、きちんとした経緯を明らかにすること、再発防止策を徹底することが、求められます。

石田健さんのコメント

The HEADLINE 編集長の石田健さんは、日本テレビのコメントが良くなかった理由を3つ挙げ、構造的な問題を指摘しています。

石田健さん公式Xより

【石田健さんが指摘した3点】

1つ目は、お悔やみを述べつつ、同時に芦原さんから「許諾」を貰ったと、自己弁護に取られる文を書いた点。2つ目は、調査が開始されないまま、トラブルを透明化するような書き方をしたこと。
3つ目は、コメントが出てしまうこと自体に、テレビ局や業界全体が抱えている構造的な問題が示唆される。

「本件を含めた様々な問題を、誰か1人の個人に帰するのではなく、多くの関係者がおおよそ悪意がないまま関与してしまっている「構造」として捉えるべきだと言いたいからです。」

「 SNSが先鋭化し、個人への誹謗中傷や犯人探しが跋扈(ばっこ)する中、この指摘も TV や “マスメディア” への分かりやすい攻撃に見えるかもしれません。しかし、そうではなく、これは構造的な問題だと何度も言う必要があります。」

石田健さん公式X 2024.1.30 より

石田健さんの言う通り、個人に対する誹謗中傷はもちろんやってはなりませんが、しかし、きちんと批判していくこと・議論されることは大事です。

「セクシー田中さん」のケースだけではなく、今までも度々、繰り返されてきた構造的な問題
もっと早く解決していたら。そう思うと、悔しいです。

芦原妃名子さんのご冥福をお祈りいたします。
そして2度とこのようなことが起こらないためにも、今後の流れを注視していきたいと思います。

【2月9日追記】現場の編集者たちが勇気を出して出した声明

小学館上層部は、2月6日に社員向けの説明会を開き「芦原妃名子さん急死の経緯、社外発信の予定なし」としていました。この説明会を受け、社員からは反発の声もありました。

そして現場の編集者さんたちが、2月8日、おそらくは小学館の上層部に逆らう形で、声明を出して下さいました。

少女・女性漫画の編集部第一コミック局」全員で作り上げた文章をUPしてくださったものです。

プチコミック公式Xより

同時刻に「プチコミック公式」、「ちゃお編集部」、「小学館ジュニア文庫公式」、「月刊フラワーズ編集部」、「小学館&フラワー編集部」、「ベツコミ編集部」、「Sho-Comi編集部」、「Cheese!編集部」の公式アカウントが、この声明をUPしてくださっています。

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